エンジニアのための著作権入門

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制限:転載

『引用』と勘違いされていることも多々あるにもかかわらず、実は全く別の概念『転載』についてのお話です。

著作権の制限事項の種類については、著作権の制限事項についてを参照ください。
また『引用』もご参照ください。

『転載』とは?



国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。
ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。 (著作権法第三十二条2) 新聞紙又は雑誌に掲載して発行された政治上、経済上又は社会上の時事問題に関する論説(学術的な性質を有するものを除く。)は、他の新聞紙若しくは雑誌に転載し、又は放送し、若しくは有線放送し、若しくは当該放送を受信して同時に専ら当該放送に係る放送対象地域において受信されることを目的として自動公衆送信を行うことができる。
ただし、これらの利用を禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない (著作権法第三十九条 一部略)

『引用』と『転載』の違いは?


引用』と間違われるのが『転載』です。
「転載禁止」と表示することで、『転載』ができなくなります。
「引用禁止」と表示しても『引用』出来てしまうことと大きく異なる部分です。

逆に『引用』で問題になる『著作者人格権』については、『転載』ではありません。

「条件」は?

条文から読める「条件」は、以下の条件があります。
第三十二条2
  1. 国や地方公共団体などが一般に周知させることを目的としている著作物であること
  2. 国や地方公共団体などの名称で公表されていること
  3. 説明の材料としての転載であること
  4. 転載を禁止する旨の表示が無いこと

第三十九条
  1. 新聞や雑誌に掲載された論説であること
  2. 学術的な性質を有していないこと
  3. 経済上又は社会上の時事問題に関する論説であること
  4. 他の新聞や雑誌への転載、又は、「放送」「有線放送」「放送対象地域を限定した自動公衆送信」であること
  5. 転載を禁止する旨の表示が無いこと

ブログなどでニュースのまとめや情報を掲載する時、『引用』ではなく、『転載』をしていることがあります。
自治体発表の数字を統計情報として載せたり、技術関連のニュースについて感想を載せたりと、いろいろ関係します。
ブログなどを書いていて、厳密に区別するか?と言われるとしていない方が多いのではないでしょうか。
実際に聞いてみると、『引用』しているのか『転載』しているのか区別がついていないことが多いようです。

他の条文にも「共通する条件」があります

  1. 出所を明示すること(著作権法第四十八条)

引用』と同じく出所を明示しなければなりません。
説明の材料なので、明示すること自体が問題になることは少ないですが、忘れていることもあるので注意が必要です。

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