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”copyright ~ all rights reserved”って、どういう意味ですか?

”copyright ~ all rights reserved”って、どういう意味ですか?とご質問いただいたので、こちらでご紹介します。

”copyright ~ all rights reserved”とは?

次のような順番でお話を進めます。
  1. 表記の仕方
  2. 英語の意味は?
  3. 効果は?

表記の仕方

表記の仕方は次のとおりです。

copyright (c)【年数】 【著作権者名】 all rights reserved.

(c)の記号

本来の表記は、【©】です。
ただ、本来の表記は、スマートフォンやPCなど表示するモノやブラウザによっては、表示できない事もあります。
記載するのですから、表示できないでは意味がないとまでは言わないですが、半減するため、(c)と表記している場合が多くあります。
このサイトでも、一番下に記載している表記では、(c)としています。

年数

基本的には(c)の年数は、第一発行年の表示です。
第一発行年とは、「いつ作成したか」を意味します。

「基本的には」というくらいで次のような例外もあります。

  • 【第一発行年】-【更新年】
  • 【第一発行年】-【現時点】
  • 【更新年】
  • 【現時点】

【更新年】は、記載を更新した年です。
【現時点】は、そのままですね。
【現時点】を使用しているのはWebページが多いです。
Webページの場合、紙などと違って、表示する時に表記を変えることができるので、このような使い方をしている場合が多いです。
この場合、サイトの一部でも更新した年を記載するという意味で、毎年どこかしら更新しているから、現時点でよいはず・・・と使用していることがあります。
実際に更新していればよいのですが、そうでない場合もあります。
そのほか、ワードプレスなどサイトを生成するソフトが標準で【現時点】を表示するので、そのまま使っている・・・というようなこともあります。
このようなあやしい表記は「どうなの?」ということについては、この後の「効果は?」でお話をします。

著作権者名

著作権者名のところは、著作者人格権:氏名表示権のところでお話したように、実名でなくても良いです。
ペンネームや雅号、筆名、略称その他実名に代えて用いられるものであれば、著作者人格権者が決めることができます。

英語の意味は?

  • “copyright”は「著作権」
  • “rights”は「権利」
  • “reserved”は「保持する」
「copyright (c)【年数】 【著作権者名】 all rights reserved.」を直訳すると、
「【年数】年から、【著作権者名】という著作権者が、著作権を全て保持しています。」となります。

効果は?

アメリカなどが加盟した万国著作権条約では、方式主義を採用しています。
この方式主義の国で、質問のあった”copyright ~ all rights reserved”は、著作権が保護されるために必要な条件の一つになっています。
このことは、○(マル)にCって、どういう意味?本などで書かれている記号についてでお話しています。
気をつける必要があるのは、この(c)記号と同じく、書いたからといって、「著作物として法的な保護が受けられるわけではない」です。

日本はベルヌ条約加盟国です。
このベルヌ条約は無方式主義を採用しています。
「無方式主義」とは、方式を定めないので、(c)記号を表記するなどといった何か記載が必要とはなりません
このため、記載が無くても、著作権法上保護されます。

あやしい表記は・・・

記載がなくても保護されますので、【年数】のところに多少おかしな「年」が表記されても、効力に影響はありません。
実際、月刊誌などでは、年末の翌年1月号を発売しますが、翌年で表記しているものもあります。

書く意味あるの?

○(マル)にCって、どういう意味?本などで書かれている記号についてでお話したように、『著作権者の意思として』表示することにより、著作権についての注意喚起をするという意味があります。

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