ビジネス初心者のための契約書入門

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納入条項について

納入条項について

納入条項とは?

納入とあるので、モノを受け渡す契約の場合の条項です。
納入条項とは、次のような納入条件です。

  1. 納入時期
  2. 納入場所
  3. 納入費用
  4. 納入方法
  5. 納期遅延

納入時期

納入する期間です。

当たり前なのですが、案外、納期が決まっていない契約書はあります。
決まっていないと、履行の請求を受けるまで納入する必要が無くなります。
これは、納入する側に有利に見えます。
しかし、すぐに履行の請求を受けることもありますが、その時点で納入できるとは限りません。
また、保管に費用がかかるようなモノの場合、履行の請求を遅らせることで、費用が増加することもあります。
このため、必ずしも、どちらかが有利とは言えません。

納入場所

納入する場所です。
期日と同じく、決まっていない契約書もあります。
決まっていないと、買主の住所や営業所になります(商法516条)。
納入は「納さめ入れる」ですから、イメージしやすいかもしれません。
ただ、中古品などの特定物の場合、それが存在した場所です。
中古ショップで、中古品を購入する場合をイメージするとよいです。

それ以外の場合は、場所を決めておきましょう。
例えば、営業が複数ある場合、どの営業所かわかりません。
どの営業所にするか?を決めておかないと、思っていた場所と違うということが発生します。

納入方法

方法というとわかり難いので、例を挙げて説明します。
物であれば、所定の場所に持って行くことが想定できます。
しかし、ソフトウェアの場合はどうでしょうか?
  • CDやDVD等と言った物で納入する
  • 買主がダウンロードする
  • 売主がPCなどにインストールする
など、実際のソフトウェア取引でも、いろいろと想定できます。
このような場合、契約で決めていないと、思っていた方法と違うということが発生します。
このため、方法も決めるようにしましょう。

納入費用

運送費などの納入にかかる費用です。
決まっていないと、「契約の対価」の折半とは異なり、売主が負担します(民法485条)。
納入場所でお話をしたように、特定物でない場合、原則が、売主が買主に持って行くことになっているので、持って行く費用も売主負担です。
特定物の場合は、その場となっていますので、問題はないと考えるかもしれません。
しかし、中古品の通販のように持ってきてもらう場合はどうでしょうか?
本来の場所と違うのだから、送料は買主負担でもよさそうですし、売主負担とも考えられます。
契約で決めていないと、思っていた金額と違うということが発生しますので、決めておきましょう。

納期遅延

何らかの理由で、納入時期に納入できない、納入が遅れる場合の規定です。
納入できない・納入が遅れる理由としては、品物が手に入らないというような売主に問題がある場合もあれば、受取に問題があるという買主に問題がある場合もあります。
どちらかに問題がある場合もあれば、双方に問題がある場合もあるでしょう。
このような場合に備えた規定です。

多くの場合、納入されないと損害が発生する場合もありますので、損害賠償の規定もします。
損害賠償というと、買主側を想定しがちです。
多くの場合、買主の損害のみでしょう。
しかし、売主側に発生する場合もあります。
保管に費用などがかかる場合です。
納入が遅れると保管費用分の損害が発生する場合もあります。
必ずしも、買主側と限定はできませんので、ご注意ください。

尚、納入できない場合は、解約する場合もあるので、解約条項との関係性も考慮しましょう。

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