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受領拒否の禁止の例外 ~ 親事業者の禁止事項【遵守事項】 その1の2 ~

前回から、第1項第1号で規定されている「受領拒否の禁止」のお話をしています。
前回の最後にお話をした、問題のない親事業者が困る、下請事業者側にも考慮すべき内容がある場合について、今回はお話をします。

それでは、「下請事業者側にも考慮すべき内容がある場合」とはどのような場合でしょうか?

親事業者の禁止事項【遵守事項】

下請法が規定する「親事業者の禁止事項」は、第4条に規定されています。
第4条は下記のとおり、第1項と第2項があります。

注意

「モノ」とカタカナ表記をしている箇所があります。
これは、データや電子ファイルなど情報成果物という実体がない「物」とは言えない場合があるためです。

下請事業者側にも考慮すべき内容がある場合

親事業者からしてみれば、受領拒否を禁止しているからと言って、すべてを禁止すると、次のような場合、困った事が起こります。
それに、保護対象だからと言っても、法律で規制するのはやりすぎと言えそうな、次のような場合は、受領を拒否できます

  1. 仕様と異なるなど委託したモノと異なる場合
  2. 不具合など問題があるモノが納品された場合
  3. 納期までにモノが届かず、委託したモノが不要になった場合

仕様と異なるなど委託したモノと異なる場合

作ってほしいモノと異なるモノを受け取れと言われても、親事業者も困ります。
この場合は、受領を拒否できます

しかし、親事業者が「仕様と異なる」と乱用する可能性もあります。
このため、委託時に作成した仕様書に明記されていないなど、仕様が明確でない場合や検査基準が明確でない場合など、委託内容と異なることが明確でない場合は、拒否できません
また、作成過程で親事業者が了承や下請事業者と合意した仕様どおりに作ったものが、委託時と異なるとするような場合も、拒否できません

不具合など問題があるモノが納品された場合

不具合があるモノを受け取れと言われても、親事業者も困ります。
この場合も、受領を拒否できます

しかし、親事業者が「不具合がある」と乱用する可能性もあります。
このため、発注後に、検査基準を恣意的に厳しくするなど、従来の検査基準で合格とされたものを不合格とする場合ような場合は、受領を拒否できません

納期までにモノが届かず、委託したモノが不要になった場合

納品が遅れたので、別のモノを使用するなどして、委託したモノが不要になった場合、受け取れと言われても、親事業者も困ります。
この場合は、受領を拒否できます

しかし、親事業者が「モノが不要になった」と乱用する可能性もあります。
このため、次にような場合は受領を拒否できません

  • 3条書面に納期が明記されていないなど納期が明確でない場合
  • 親事業者からの原材料の支給が発注時に取り決めた引渡し日から遅れた場合
  • 無理な納期を一方的に決定している場合
なお、「3条書面」については、「書面の交付義務」でお話をしています。

次回は、第1項第2号の「下請代金の支払遅延の禁止」です。

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