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書面の交付義務1 ~ 親事業者の義務 その1 ~

前回から、下請法に規定されている親事業者の義務についてお話をしています。
今回は、一番最初の「書面の交付義務」についてお話をします。

親事業者の義務

下請法が規定する「親事業者の義務」は、第2条の2、第3条、第4条の2、第5条に規定されています。
内容は、下記の4種類です。
  1. 書面の交付義務
  2. 支払期日を定める義務
  3. 書類等の作成・保存義務
  4. 遅延利息の支払義務

書面の交付義務

下請法第3条に定められています。
親事業者が下請事業者に対して書面を交付しなければならないと定められています。
合わせて、下記のような書面に記載する内容が規定されています。
  • 下請事業者の給付の内容
  • 下請代金の額
  • 支払期日
  • 支払方法
  • その他の事項
以降、「その他の事項」を含めた具体的な記載の内容をお話しします。

具体的な記載内容

具体的な内容については、下記の12項目です。
補足など、お話をした方がよいリンクの項目のみお話をします。
長くなるので、今回と次回の2回に分けてお話をします。
  1. 親事業者及び下請事業者の名称
  2. 製造委託,修理委託,情報成果物作成委託又は役務提供委託をした日
  3. 下請事業者の給付の内容
  4. 下請事業者の給付を受領する期日
  5. 下請事業者の給付を受領する場所
  6. 下請事業者の給付の内容の検査完了日
  7. 下請代金の額
  8. 下請代金の支払期日
  9. 下請代金の全部又は一部の支払手段に合わせた項目
  10. 原材料等を有償支給する場合の記載事項

ご注意

「給付」というと、「モノの提供」だけのように勘違いされるかもしれません。
役務提供委託の場合は、「給付」の部分を「提供される役務」と読み替えますので、ご注意ください。

親事業者及び下請事業者の名称

これだけ読むと説明はいらないかもしれませんが、少しだけ補足です。

この名称部分については、番号・記号等による記載も可能です。
具体的には、英語読みの略号管理番号などです。
ただ、その略号や管理番号が下請事業者だと、下請事業者がわかる必要はあります。
このため、初回1回限りであっても、下請事業者に対して、その略号や管理番号が下請事業者だと判断できる書面を交付しておいた方がよいでしょう。
また、略号や管理番号が複数の下請事業者で重ならないように管理する必要もあります。

下請事業者の給付を受領する期日

給付の場合は、期日です。
製造委託・修理委託・情報成果物作成委託の3つの委託は、完成したモノの引き渡しは、一度だからです。
しかし、役務提供委託の場合は、役務が提供される「期日」又は「期間」と期間が増えます。
役務の提供は継続する場合があるため、「期間」になっています。

下請事業者の給付を受領する場所

注意点は、役務提供委託の場合は「給付を受領する場所」を、「役務が提供される場所」と読み替えるだけです。
それ以外の説明は不要でしょう。

長くなりましたので、「書面の交付義務 その2」に続きます。

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