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返品の禁止 ~ 親事業者の禁止事項【遵守事項】 その4 ~

7回前から、第4条に規定されています、「親事業者の遵守事項」についてお話をしています。
8回目の今回は、第1項第4号で規定されている「返品の禁止」のお話です。

親事業者の禁止事項【遵守事項】

下請法が規定する「親事業者の禁止事項」は、第4条に規定されています。
第4条は下記のとおり、第1項と第2項があります。

第4条

第1項

第1項では、下記の7種類です。
  1. 受領拒否の禁止
  2. 下請代金の支払遅延の禁止
  3. 下請代金の減額の禁止
  4. 返品の禁止
  5. 買いたたきの禁止
  6. 購入・利用強制の禁止
  7. 報復措置の禁止

第2項

第2項は下記の4種類です。
  1. 有償支給原材料等の対価の早期決済の禁止
  2. 割引困難な手形の交付の禁止
  3. 不当な経済上の利益の提供要請の禁止
  4. 不当な給付内容の変更及び不当なやり直しの禁止

返品の禁止

受け取った物を返品することを禁止している規定です。

受け取った以上、返品できないという、ある意味当たり前の理由です。
このため、受け取ったものに瑕疵があるなど、「受領拒否の禁止の例外」でお話したような、下請事業者に問題がある場合は、返品できます

返品と検査の関係

受け取ったに検査(検収)する場合もあります。
この検査(検収)で問題(瑕疵)が発見できて返品できないとなると、親事業者が困ります。
ただ、親事業者が困るからと言って、いつまでも問題(瑕疵)が発見できない状態では、下請事業者が困ります。
下請法は、下請事業者を保護することが目的なのですから、この困りごとを解決しないといけません。
このため、「ある程度の期間」が経ったら返品できないようにしました。
なお、「ある程度の期間」について、下請法では明確な規定はないです。
が、下請取引適正化推進講習会テキストでは、この期間を6か月としています。

注意

瑕疵があるからと返品できるのは、瑕疵があるモノだけです。
複数個あるようなモノの場合は、瑕疵がある(=不具合がある)モノだけで、瑕疵がない(=不具合がない)モノは返品できません
受け取ったもの全部ではないので、ご注意ください。

役務提供委託は対象外

「返品」とあるので、モノを提供しない役務提供委託は対象外です。
言い換えると、役務(サービス)はモノを提供しないので、「返品」するモノがないためです。

次回は、第1項第5号の「買いたたきの禁止」です。

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