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書類等の作成・保存義務2 ~ 親事業者の義務 その3 ~

6回前から、下請法に規定されている親事業者の義務についてお話をしています。
前回から引き続き、3番目の「書類等の作成・保存義務」についてお話をしています。
今回は、補足説明が必要な項目です。

親事業者の義務

下請法が規定する「親事業者の義務」は、第2条の2、第3条、第4条の2、第5条に規定されています。
内容は、下記の4種類です。
  1. 書面の交付義務
  2. 支払期日を定める義務
  3. 書類等の作成・保存義務
  4. 遅延利息の支払義務

書類等の作成・保存義務

全項目については、前回をご覧ください。
補足説明が必要な事項は、次の4項目です。
  1. 下請事業者から受領した給付の内容及び給付を受領した
  2. 下請代金の額
  3. 下請代金の全部又は一部の支払手段に合わせた項目で実際に交付した日等
  4. 原材料等を有償支給した場合は、その品名、数量、対価、引渡しの日、決済をした日及び決済方法

ご注意

「給付」というと、「モノの提供」だけのように勘違いされるかもしれません。
役務提供委託の場合は、「給付」の部分を「提供される役務」と読み替えますので、ご注意ください。

下請事業者から受領した給付の内容及び給付を受領した

前2つ「下請事業者の給付の内容」と「下請事業者の給付を受領する期日」と同じように見えますが、こちらは「実際に」受領した内容と日です。
委託した内容を実施するのですから、結果として、同じ記載内容になることが多いです。
このため、交付した書面を一部として関連付けた表記をすればよいです。
「給付の内容は、xx書類のxx部分に記載した」など、第三者が見ても相互の関係が明らかである必要はあります。
監督官庁などを含めた第三者が後から確認してわかる必要があるため、当事者だけがわかればよいとはならないのでご注意ください。

下請代金の額

対象金額」でお話をしましたので、ご覧ください。
なお、ここで記載する下請代金の額は、次の場合、それぞれに記載する項目が必要になります。
  1. 対象金額の『算定方法による下請代金の額の記載』を用いた場合
  2. 算定方法に変更があった場合

対象金額の『算定方法による下請代金の額の記載』を用いた場合

算定方法による下請代金の額の記載用いた場合は、「実際に定まった下請代金の額」を記載しなければなりません。

算定方法に変更があった場合

対象金額が何らかの理由で変更された場合は、下記の2項目が必要になります。
  • 下請代金の額
  • 変更した理由

下請代金の全部又は一部の支払手段に合わせた項目で実際に交付した日等

内容としては、「下請代金の全部又は一部の支払手段に合わせた項目」と同じです。
異なるのは、「実際に交付した日等」になる部分です。
実際の内容が、「書面の交付義務」にある記載内容と異なる場合は、「実際の内容」を記載する必要があります。

原材料等を有償支給した場合は、その品名、数量、対価、引渡しの日、決済をした日及び決済方法

一つ前の項目と同じく、こちらも実際の内容が、「書面の交付義務」にある記載内容と異なる場合は、「実際の内容」を記載する必要があります。
内容としては、「原材料等を有償支給する場合の記載事項」と同じです。

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