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下請代金の減額の禁止 ~ 親事業者の禁止事項【遵守事項】 その3の1 ~
- 投稿日:2020-11-16
- 最終更新日:2020-11-18
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- カテゴリ:親事業者の禁止事項
4回目の今回は、第1項第3号で規定されている「下請代金の減額の禁止」のお話です。
目次
親事業者の禁止事項【遵守事項】
下請法が規定する「親事業者の禁止事項」は、第4条に規定されています。第4条は下記のとおり、第1項と第2項があります。
第4条
第1項
第1項では、下記の7種類です。- 受領拒否の禁止
- 下請代金の支払遅延の禁止
- 下請代金の減額の禁止
- 返品の禁止
- 買いたたきの禁止
- 購入・利用強制の禁止
- 報復措置の禁止
第2項
第2項は下記の4種類です。- 有償支給原材料等の対価の早期決済の禁止
- 割引困難な手形の交付の禁止
- 不当な経済上の利益の提供要請の禁止
- 不当な給付内容の変更及び不当なやり直しの禁止
下請代金の減額の禁止
あらかじめ定めた下請代金を減額することを禁止している規定です。規定が設けられた理由は、前回お話をした「下請代金の支払遅延の禁止」と同じです。
「支払遅延」を「減額」と置き換えても、同じことが言えます。
減額の禁止の例外
「下請代金の支払遅延の禁止」と同じように、絶対に減額してはいけないとはなっていません。下請事業者に責任があるような場合は減額できます。
責任があるというのは、「受領拒否の禁止の例外」にあるような場合です。
減額の考え方
基本的な考え方として、「減額の名目は問われない」です。「協力金」「決算値引き」「一括値引き」「販売報奨金」「コストダウン協力金」「支払手数料」「システム使用料」など、いろいろな名目で違反とされた事例があります。
また、次のような事例は減額と考えられます。
- 単価の引下げの合意日前に旧単価で発注されているものにまで新単価を遡及適用して下請代金の額から旧単価と新単価の差額を差し引く
- 消費税相当分を支払わない
- 下請代金を銀行口座へ振り込む際の手数料を下請代金の額から差し引く
- 下請代金の額から金融機関に支払う実費を超えた振込手数料の額を差し引く
- 納期遅れによる商品価値の低下分とする額を下請代金の額から差し引く
- 下請代金の支払に際し、端数が生じた場合、端数を1円以上の単位で切り捨てて支払う
- 手形払の場合の下請代金の額から自社の短期調達金利相当額を超える額を差し引く
- 下請代金の額から不要品の対価に相当する額を差し引く
- 下請代金の額の何%かを下請代金の額から差し引く
- 下請代金の額から一定の割合又は一定額を差し引く
- 下請代金の総額はそのままにして、現品を添付させて納入数量を増加させる
具体的な内容については、次回・次々回と2回に分けて、お話をします。
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