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正本とは ~ 正本と副本 使い方によって意味が変わる? ~
- 投稿日:2019-01-14
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- カテゴリ:契約書
その中で、使い方によって意味の違うとお話しています。
今回は、もう一つの意味である「正本と副本」についてお話をします。
目次
正本について
使い方による意味の違い
前回もお話しましたが、意味の違いがでる使い方は、次の場合です。- 正本と原本・謄本
- 正本と副本
呼び方
今回の「正本」も「せいほん」と呼びます。前回お話をしたように、意味が違っていても呼び方は変わりません。
正本と副本
意味
同一の内容を記載した書類を複数(最低でも2通)用意します。この複数用意した書類のうち、本来の意味で用いられるものを「正本」と呼びます。
それに対し、「手控え」や「写し」など、「予備的なもの」を「副本」と呼びます。
許認可などで役所に書類を提出する場合、手続きで用いられる「正本」と「写し」として「副本」を提出することがあります。
許認可手続きの場合、その内容によって、「正本」と「副本」の両方を役所が受取る場合もあるので、「手控え」として3通用意するなんてこともあります。
この「手控え」には、受領印を押してもらうのです。
余談ですが、両方を役所が受取る場合があるかのお話をします。
窓口と手続きが異なる役所の場合があるためです。
例えば、国の権限であっても、知事などの地方公共団体や国の出先機関などを経由する手続きがあります。
このような場合、「正本」は国の機関(省庁)で保管されますので、窓口の地方公共団体には書類が残りません。
このため、地方公共団体などが書類を必要とすることが想定される場合、手元にないので困ります。
このため、申請者に「副本」も提出してもらい、手元に残しておくのです。
話がそれましたので、「正本と副本」に話を戻します。
作成時期
「正本」と「副本」は同時に作成します。「副本」が「予備的なもの」であっても、モノが必要であることにはかわりがありません。
なお、「副本」が次の全てに当てはまるような、作成者が困らない場合であれば、作成しないこともできます。
- 「手控え」の用途のみ
- 確認する手段が別にある
- 受領印も不要
- 提出したことを証明する必要がない
割印は必要?
疑問
同一の内容を記載した書類を複数(最低でも2通)用意するというと、契約書での割印を思い出す方もいらっしゃるでしょう。「割印」の意味は既にお話をしていますので、必要に応じてご覧下さい。
「契約書と同じく割印が必要か?」という疑問です。
回答
基本的には不要です。理由は、「割印」が必要な理由がわかっていると推測できます。
既にお話をしたように、「割印」は、同じ内容の契約書であることを確認したことを意味します。
通常、「正本」と「副本」は、双方、同一人物(法人・個人)が作成します。
「割印」が必要な契約書のように、複数の人物が作るものではありません。
同一人物が作る以上、同じ内容の書類であることを確認する意味がありません。
自分で作ったものですから、印鑑を押してあるだけでは、違う内容の書類を作成することもできるからです。
ただ、提出する相手によっては、「割印」を要求する場合もありますので、確認した方が良いでしょう。
「割印」の代わりとして、提出先が「手控え」に受領印を押してくれると考えるとよいでしょう。
ただ、受領印を押した場合でも、「割印」と同じ意味とはならない場合もありますので、ご注意ください。
例えば、提出先が「正本」と「副本」が同じであると確認せずに受領印が押される場合もあるためです。
確認していない以上、誰が押している印であっても「確認した」という意味はありません。
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