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契約書の甲乙に優劣はありますか? ~ 契約当事者の表記について ~

「契約書の甲乙に優劣はありますか?」とご質問頂いたので、こちらで紹介します。

甲乙って何?と言う方は、契約当事者の表示についてで既にお話していますので、ご覧ください。

また、契約書に出てくる「甲乙丙丁」の読み方は、「甲:こう」「乙:おつ」「丙:へい」「丁:てい」です。
4人以上が出てくる場合については、「契約当事者の表示について」や「十人より多い契約当事者について」でお話をしていますので、必要な方はご覧ください。

契約書の甲乙に優劣

質問

契約書の甲乙に優劣はありますか?

回答

回答から先に言うと、優劣はありません

「甲乙つけがたい」という表現があります。
「優劣がつけがたい」という意味です。
この日本語表現があるために、甲が優位、乙が劣位と考える方が多いようです。

なぜ甲が優位?

甲乙というのは、「十干」から来ています。
「十干」については、回答から外れるのでお話しませんが、すべて使えば、十人まで、契約書で表現できます。
これ以上は?というのは、「十人より多い契約当事者について」でお話をしています。

付録:十干

漢字
読み こう おつ へい てい こう しん じん

甲が先に並んでいるため、優位という意味です。

実務的には?

実務的には、甲乙を気にされる方や業界もあります。
そのような場合でも、優劣というより先という意味で使われていることが多いです。

具体的な内容は、「契約書の甲乙、甲は誰?乙は誰?」でお話をしていますので、そちらをご覧ください。

「お客様を優位に」という意味で「甲」はお客様、「乙」は自社という会社もありますので、絶対ではないです。

甲乙よりは内容が重要

契約書で気を付けるべきは、「甲乙」ではありません。
契約内容(条文)です。
「甲が優位」と考えていると失敗します。

実務的には、そうではない契約書が多数あるからです。
どのような契約書かというと、内容として、乙が優位となる契約条文が書かれている契約書です。
契約書の甲乙、甲は誰?乙は誰?」でお話していますが、基本的には、お金を払う方が甲なので、販売やサービスをする会社は自社が乙になるでしょう。
また、基本的に、自社が優位になる契約書を用意します。
これを組み合わせると、「自社が乙で優位になる契約書」となります。
基本形を組み合わせていますから、多数の契約書が「乙が優位」となります。

契約書の甲乙、甲は誰?乙は誰?」でお話したとおり、実務的には、甲乙が決まっていませんから、先ほど断言した「多数」というのも疑問です。

このため、回答としては、「優劣はありません」となります。

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