ビジネス初心者のための契約書入門

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インクジェットプリンタで契約書の印刷をしたら不都合はありますか?

インクジェットプリンタで契約書の印刷をしたら不都合はありますか?と質問頂いたので、こちらでお答えします。
回答は、「ダメではない。」です。
でも、「良い」ではありません
というのも、注意しなければならないことがあるのです。
今回はそのお話をします。

契約書の印刷について

インクジェットだと問題がある?

契約書の紙質について」の最後で少しお話しましたとおり、インクの問題です。
ご質問された方もレザープリンタは良くて、インクジェットプリンタが問題になる理由が知りたいということでした。

ではインクジェットプリンタの場合、どのような問題があるのでしょうか?
大きく分けると以下のような問題が指摘できます。

  1. 判別しやすい印字
  2. 摩擦などへの耐久性
  3. 長時間保存できる持続性
以降は、それぞれについてお話してきます。

判別しやすい印字

昔のインクジェットプリンタは印刷する点が荒く、画数の多い文字があると、判別しにくい、ぼやけた感じで印字されるものがありました。
画数が多い文字を契約書に使うことはよくあるので、判別しにくい文字では困ります。
このことから、契約書の印刷には不向きとされていました。

最近では、写真の印刷ができるような細かな点を印刷できるようになってきています。
昔は問題とされていたこの点は改善されたと考えてよさそうです。

摩擦などへの耐久性

この項目は、インクの種類の因っては、最近のインクジェットでも問題になることがあります。
契約書の場合、格納する時や読み返しなどで、紙が擦れることがあります。
インクの種類によっては、擦れたときに擦れた面に色が移ることがあります。

この色移りが問題なのです。

片面印刷であれば、真っ白な裏面に色が移るだけなので、問題になることは余りないのかもしれません。
ところが、両面印刷の場合、反対面にも契約書の中身が書かれています。
多くの契約書は黒などの単色で作成します。
そうすると、移る色も同じ色のインクですから、読みにくく、移り方によっては読めなくなります。

また、擦れたときに、同じ面に色が広がることもあります。
この場合、片面印刷であっても、その部分が読みにくくなることもあります。

インクによって異なるので、この点は注意が必要です。

長時間保存できる持続性

契約書の紙質について」でお話したように、契約内容によっては、長時間保存が必要な場合があります。
上記では会社法を例としてご説明しましたが、隣地との確認に関する契約書などのように、何十年も保管される契約書もあります。
何十年ともなると、レーザープリンタでも大丈夫か?という機関になってきますが、はっきりしていることは、少し前のインクジェットプリンタでは難しかったということです。
保存状況によりますが、時間が経つことにより、印字が変色したり、場合によっては剥がれ落ちることが問題でした。

この点は、最近のインクジェットプリンタでも問題になることがあります。
プリンタの設計思想として、写真などのきれいさを優先して、長期間保存には向かないインクを使用するものがあります。
このようなインクでは、保存している間に問題になると考えられます。

インクジェットプリンタというよりはインクの問題・・・

3点お話しましたが、その他にも以前お話した、インクと紙との相性などもあります。
契約書の印刷に使って良いか?ということは、インクジェットプリンタというよりは、インクが長時間保存に向くか?が重要な要素となります。

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