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譲渡制限会社の株式の譲渡はどのようにしたらよいのでしょうか? ~ 譲渡制限株式の譲渡の順番について ~
- 投稿日:2018-03-11
- 最終更新日:2018-10-04
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- カテゴリ:株式
目次
譲渡制限会社の株式の譲渡について
譲渡するにはどうするの?
株式会社の分類についてでお話をしたように、譲渡制限会社の株式は全て譲渡制限株式です。この譲渡制限株式を譲渡するには、譲渡制限会社の承認が必要になります。
よくあるのは以下のような順番です。
- 株主が譲渡する相手(譲受人)を探す
- 株主と譲受人が条件などを合意する
- 譲渡制限会社に株式の譲渡の承認を申請する
- 譲渡制限会社が株式の譲渡の承認手続きを行う
- 譲渡制限会社が株式の譲渡の承認の可否を通知する
- 株式の譲渡がされる
- 株主名簿記載の変更を申請する
株主が譲渡する相手(譲受人)を探す
譲渡する相手がいなければ、譲渡できないので、その人を探すことになります。上場企業の株式に比べると、譲渡制限株式は譲渡することが難しいです。
このため、相手を探すことが一番難しいです。
株主と譲受人が条件などを合意する
相手が見つかったら、譲渡する条件、ご質問の場合だと、売却する株数や売却額などの条件を合意します。相手を探すときに合わせて行われることもあります。
譲渡制限会社に株式の譲渡の承認を申請する
譲受人と条件が合意できたら、譲渡制限会社に譲渡の承認を申請します。申請する人は、株主(=売却する人)です。
譲受人(=購入する人)が申請する場合もあります。
が、この場合、株主と共同して申請することになります。
申請された会社からすると、譲受人だといわれても、本当なのか?わからないからです。
このため、本当だと判断できるようにするために、株主も申請することになります。
この申請のときには、以下のような内容を通知します。
- 譲渡する株式の種類や数
- 譲受人の名前(譲受人が法人の場合は法人名)
- 会社が承認しない時には、「会社が買え」、「代わりの買取人を指定して」と請求する場合は、請求すること
譲渡する株式の種類や数
会社に譲渡する株数を伝えます。種類株発行会社の場合は、種類も伝える必要があります。
譲受人の名前(譲受人が法人の場合は法人名)
会社に譲受人の名前を伝えます。法人の場合もあるので、その場合は、法人の名前を伝えます。
申請を受ける会社によっては、承認の判断に必要な法人の情報も伝えます。
会社が承認しない時には、「会社が買え」、「代わりの買取人を指定して」と請求する場合は、請求すること
お金が欲しいと思って株式を売却する場合、売れないと困ります。このため、株主が見つけた譲受人ではダメだと言うなら、「代わりに買ってくれる人を用意しろ!」という意味です。
この買ってくれる人は、「譲渡制限会社が自社の株を買う」でも良いですし、「譲渡制限会社以外の代わりの人が買う」でも良いです。
買ってくれればお金が手に入るのですから。。。
このため、「売却代金が絶対に欲しい・・・」ではない場合は、この請求はしなくてもよいです。
その場合、譲渡の承認がされなければ、譲渡ができなくなるだけです。
譲渡制限会社が株式の譲渡の承認手続きを行う
請求を受けた譲渡制限会社は、譲渡の承認に必要な手続きをします。手続きについては、複数の方法があるので、次回お話します。
譲渡制限会社が株式の譲渡の承認の可否を通知する
承認手続きが終わりましたら、その結果である、承認の可否を通知します。否認する場合で、2つ前の代わりの人の請求がされている場合は、「代わりに買ってくれる人」も通知することになります。
承認の可否の通知は、譲渡制限会社に株式の譲渡の承認を申請から2週間以内に行う必要があります。
この通知を行わないと、譲渡制限会社は株式の譲渡を承認したことになりますので、ご注意ください。
株式の譲渡がされる
売買の場合だと、売却代金の支払いなどを行います。株券のある会社の場合は、株券を渡します。
譲受人との間で、先に売却代金を受取りや株券の受渡をしていることはあるかもしれません。
その場合で、譲受人への譲渡が承認されない場合は、売却代金や株券などを返却することになります。
株主名簿の記載の変更を申請する
売却代金の支払いなどが済み、株式が譲渡されたら、株主名簿の記載の変更を申請します。申請内容などは今回のお話から外れますので、別の機会にお話します。
以上が譲渡制限会社の株式の譲渡の順番です。
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