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取締役・監査役の就任手続きの順番

今回は取締役監査役の就任に必要な手続きの順番や概要についてお話します。

取締役の就任手続き ~ 種類株式が発行されていない場合 ~

順番

取締役の就任手続きは概ね以下のような順番で進みます。
  1. 取締役候補者の決定
  2. 株主総会での決議
  3. 取締役に就任する承諾
  4. 取締役就任の登記

以下で概要をお話します。

各手続きの概要

取締役候補者の決定

会社法では、取締役候補者の決定という手続きはありません。
ただ、実際には、既存の取締役株主が、取締役になってくれそうな人とお話して、取締役候補者を決定していきます。

株主総会での決議

株主総会の議案として、決定された取締役候補者を提示して、その決議をします。
尚、実務的には、議案を提示するだけではなく、取締役候補者が株主総会に出席して、お話をすることもあります。

取締役就任の承諾

株主総会で取締役に選任された人が就任の承諾をします。
増員や交代の場合では、株主総会に出席していない人が取締役になることもあります。
株主総会で決めるので、株主や出席取締役以外の人が取締役になる場合、その方の意思は確認されていません。
また、株主総会に出席していても、株主総会で発言していなければ、出席していない方と同じく、その方の意思も確認されていないでしょう。
このため、取締役に就任するかどうかの承諾が必要になります。

尚、この承諾は、選任された人が株主総会の出席者で、株主総会で発言できるのであれば、株主総会の場で承諾することもできます。
この場合、株主総会での発言ですので、株主総会議事録に記載することになります。

取締役就任の登記

登記所に取締役就任登記に必要な書類と印紙を提出します。
提出する登記所は、会社の本店所在地により決まります。

取締役の就任手続き ~ 種類株式が発行されている場合 ~

種類株式には、取締役や監査役を選任する種類株式があります。
この種類株式については、「種類株式についての9番目」でお話しています。

この取締役を選任する種類株式が発行されている場合、先にお話した発行されていない場合と1つだけ違いがあります。

その違いは、決定する場所です。
決定する場所は、株主総会ではなく、種類株主総会になります。
  1. 取締役候補者の決定
  2. 種類株主総会での決議
  3. 取締役に就任する承諾
  4. 取締役就任の登記

この種類株主総会には、取締役を選任する種類株式の株主が決議に参加します。
取締役を選任する種類株式以外の株主は決議に参加できません。

監査役の就任手続き

監査役の就任手続きは、取締役就任の手続きと一つ増えますが、それ以外は同じです。
「取締役」と書いてあるところを「監査役」と読み替えて頂ければよいです。
種類株式についても、監査役でも取締役同様の種類株式が発行できますので、同じになります。

「一つ増える」とは?

「一つ増える」というのは、定款に「監査役を置く」という旨の規定が必要なことから、その定款変更の手続きが必要になるためです。
種類株発行会社でなければ、監査役を決議する株主総会で合わせて決議すればよいです。
しかし、種類株発行会社の場合は、別途定款変更のための株主総会が必要になりますので、ご注意ください。

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