エンジニアのための著作権入門

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グラフにしたデータは著作物ですか? 著作物の質問

「グラフにしたデータは著作物ですか?」とご質問いただいたのでご紹介します。
元のご質問はある特定の経済指標をデータベースに保存し、プログラムでグラフにしたものが著作物かどうか?というご質問でしたが、特定しない形でお話をします。

グラフにしたデータは著作物ですか?

回答

データは著作物ではありません
グラフは作成方法によっては著作物になることがあります。

質問は複数のモノが関係しているので、分解してお話をします。

データ

データはあくまでデータです。
著作物とは?」でお話をしているように、「創作的思想感情の表現物」である必要があります。

データ単独では思想感情が含まれないので、著作物ではありません。

データベース

単純にデータベースに保存したからと言って、データベースの著作物とはなりません。
著作物になるデータベースは、「データベースの著作物について」でお話をしていますので、ご覧ください。

プログラム

すでにお話をしているように、プログラムのソースコードは「プログラムの著作物」となります。

グラフ

創作的な表現したものでなければ、著作物とはならないです。
折れ線グラフや棒グラフなどは、一般化されていて、創作的であるとは言えません。
このため、一般化されたグラフでの表現物は、著作物ではありません

創作的なグラフ?

一般化されたグラフがダメであれば、著作物になる創作的なグラフとはどのようなグラフでしょうか?
例えば、イラストなど表現を工夫をしたグラフです。

借金の推移をグラフで表現する時に、棒グラフのように、お札を並べて表現することがあるでしょう。
ただ、借金をお札で表現をするのは、ありふれた表現として、創作性は認められないことが考えられます。
特にどういう表現であれば、著作物とは言えませんが、ただイラストで表現するだけで著作物になるとは言えないです。

経済指標は?

質問の経済指標の場合、著作物ではないでしょう。
経済指標は、政府や銀行、団体などが定期的(毎月・毎年など)に発表している数値です。
この数値は、基本的に、恣意的な操作はしていないので、思想感情が含まれないです。

指標は「物事を判断したり評価したりするため」に用いられます。
経済指標に思想や感情が含まれていれば、経済状況の判断を客観的に行うには不適切で、使用できなくなります。
このため、多くの経済指標は、思想や感情が含まれることはないでしょう。

思想や感情が含まれない以上、経済指標は、著作物ではありません

ご注意

今回は講座の趣旨に合わせ、「著作物かどうか?」に焦点をあててお話をしています。
指標やデータなどを提供している人や団体などが、利用規約などを定めている場合もあります。
また、民法など著作権法以外の法令で使用を制限される場合もあります。
著作物ではないから好きに使って良いとはなりませんので、ご注意ください。

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