ビジネス初心者のための事業計画入門

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製品・サービスの市場規模 ~ 数字だけではダメなの? ~

今回は、製品・サービスの全体像で3番目にお話をした「市場規模」についてお話をします。
数字を調べるだけとも思われがちですが、それ以外にも調べたり考えることがあります。
今回は、そのような部分を含めてお話をします。

製品・サービスの市場規模

市場規模を考えるステップ

冒頭でお話したように、事業計画書に記載する市場規模は数字を調べるだけではありません。
次のようなステップで調べます。

  1. 製品・サービスが属する業界の規模を調べる
  2. 類似の製品・サービスの販売など市場の規模を調べる
  3. 市場規模の傾向を調べる
  4. 計画している事業の製品・サービスにより市場が拡大するかを検討する
  5. 拡大がどの程度までできるか検討する

製品・サービスが属する業界の規模を調べる

調べたとしても、事業計画書に記載しないこともあります。
○○業界の売り上げ規模などは、インターネットで調べると、ニュース記事や業界団体などが公表しています。
業界の関係者でなくても、調べることが容易です。
このため、事業計画書の読み手によっては、自明なこともあるので、記載しないこともあります。
掲載しない場合であっても、後の検討段階で利用される場合もあるので、数字としては把握しておいた方が良いです。

類似の製品・サービスの販売など市場の規模を調べる

こちらは公表されていないこともあります。
公表されていればその数値を利用すればよいです。
しかし、非公表の場合や集計自体がされていない場合などもあります。
その場合は、競合各社の情報を集めたり、流通など影響のある業界の情報を集めるなど、手間が掛かる部分となります。
また、類似の商品が無い場合もあります。
類似の商品が無ければ、業界の規模から検討する以外は方法が無くなります。

市場規模の傾向を調べる

市場が成長傾向か、衰退傾向か、横ばいかなど、傾向を調べます。
新規産業であれば、成長傾向になることが多いとも限りません。
ブームではないですが、一過性の製品・サービスであれば、新規産業であっても、衰退傾向を示している場合もあります。
逆に、古くからある部品などの場合でも、新製品が使われることもあります。
また、食品などの生活必需品は、輸入増加などしない限りは、生産・販売できる量が決まっていることもあるので、横ばいで、安定していることもあるでしょう。
まずは、そのような傾向を調べます。

計画している事業の製品・サービスにより市場が拡大するかを検討する

成長傾向であれば、その流れにのることができれば、事業が成功といえます。
逆に衰退傾向や横ばいであれば、競合企業の既存の顧客を奪うだけではなく、新規の顧客を創出できるかも検討します。

拡大がどの程度までできるか検討する

成長傾向にしても、衰退傾向や横ばいにしても、どの程度まで提供する製品・サービスが影響を与えるのかを検討する必要があります。
この「程度」は、分量と時間です。
  1. 市場規模として拡大できるか?
  2. 市場が衰退傾向になるまでの期間は?
という2つの視点で検討します。

市場規模としてどの程度まで拡大できるか?

拡大できる分量を検討します。
例えば、「販売地域を拡大する」です。
「特定の地域」の場合は、どうしても飽和してきます。
たとえ100%のシェアとなっても、それ以降は増えないからです。
このため、「特定の地域」が都道府県であれば、別の都道府県に広げる・・・
国内(全国)であれば、海外に広げる・・・
というような感じです。

市場が衰退傾向になるまでの期間は?

期間については、わかりやすいところでは、販売地域での想定顧客の人口動向を基に考えます。
単純に人口が増加しているとは言っても、若者向けの製品・サービスを高齢化している地域で販売すれば、減少傾向になると想像できます。
あくまで、想定しているターゲット顧客の動向が重要なのです。
会社相手であれば、海外移転が進んでいる業界などというように、その業界の動向になります。

また、代替え製品・サービスの登場なども検討しておく必要があります。
しかし、わかっていたらそちらの製品・サービスを提供するということもありえます。
わからないのであれば、代替え製品・サービスが登場した時点で発見できるような体制などを考えた方が良い場合もあります。
発見できれば、影響を最小限に抑えるなど、対策をとることもできるからです。

以上のような内容を検討して、事業計画書に記載します。

次回は、全体像の4番目にお話をした製品・サービス「競合情報」についてお話をします。

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