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代表取締役の就任手続きの順番

前回は、取締役監査役についてお話しました。
今回は代表取締役の就任に必要な手続きの順番や概要についてお話します。

代表取締役の就任手続き ~ 取締役会がない場合 ~

基本形

取締役会が無い会社では、代表取締役の就任手続きは概ね以下のような順番で進みます。
  1. 取締役候補者の決定
  2. 株主総会での決議
  3. 取締役及び代表取締役に就任する承諾
  4. 取締役就任及び代表取締役就任の登記

以下で概要をお話します。

各手続きの概要

基本は取締役の決定だけ?

基本的な手続きは、取締役の手続きと同じ(同時)です。
なぜかというと、取締役会の無い会社について、会社法では、取締役が「(各自)、株式会社を代表する」と定めています。
取締役会が無く取締役が複数人居る会社は、取締役全員が代表取締役になります。
取締役になる人は同時に代表取締役になるということです。
このため、取締役に就任する承諾は、同時に代表取締役に就任する承諾にもなります。
この後お話しする手続きをしない場合、取締役にはなるが代表取締役にはならないということはできません

うちの会社は、取締役会もなく、取締役が複数いるが、代表取締役は一人だけど・・・?

取締役全員が代表取締役でない会社は多くあります。
何らかの理由で取締役全員を代表取締役にしない会社のために、会社法では、取締役会が無い会社で取締役の内特定の人(場合によっては一人のみ)代表取締役にするための手続きがあります。

取締役の内、特定の人(場合によっては一人のみ)にする手続きの概要

取締役の内、特定の人(場合によっては一人のみ)にする手続きは下記の3種類あります。

  • 定款で特定の人に定める
  • 株主総会での決議
  • 定款で「取締役の互選で定める」規定を定める
以下で概要をお話します。

定款で特定の人に定める

定款で○×さんを代表取締役にするように規定を定めます。
一人だけにするのであればその一人分の、複数人数にするのであればその人数分の規定を定めます。

既に取締役が居る前提で、代表取締役の手続きに限ると、以下のような順番になります。
  1. 代表取締役候補者の決定
  2. 株主総会で、代表取締役を決議
  3. 代表取締役に就任する承諾
  4. 代表取締役就任の登記

株主総会での決議

取締役と同じように株主総会で、代表取締役を決議します。
この場合も、一人だけにするのであればその一人分、複数人数にするのであればその人数分、決議します。

既に取締役が居る前提で、代表取締役の手続きに限ると、以下のような順番になります。
  1. 代表取締役候補者の決定
  2. 株主総会で、定款を変更する決議
  3. 代表取締役に就任する承諾
  4. 代表取締役就任の登記

定款で「取締役の互選で定める」規定を定める

取締役会が無い会社の手続きでは、他の方法と違い、この方法の時だけ、株主が代表取締役を直接選ばないです。
取締役の中から代表取締役を選定するようにと、取締役に定款で、お任せします。

お任せされた取締役が、代表取締役を定めます。
この場合も、一人だけにするのであればその一人分、複数人数にするのであればその人数分、決めます。

既に取締役が居る前提で、代表取締役の手続きに限ると、以下のような順番になります。
  1. 株主総会で定款を変更する決議(定款に規定が無い初回のみ※)
  2. 代表取締役候補者の決定
  3. 取締役が集まり、代表取締役を決議
  4. 代表取締役に就任する承諾
  5. 代表取締役就任の登記
※最初の定款を変更する決議は、定款に「取締役の互選で定める」と言う規定がない時だけ必要になります。
※2回目以降は、既に有るので、定款の変更は不要です。

代表取締役の就任手続き ~ 取締役会がある場合 ~

基本形

取締役会がある会社の手続きでは、株主が代表取締役を直接選ばないです。
代表取締役の就任手続きは概ね以下のような順番で進みます。
  1. 代表取締役候補者の決定
  2. 取締役会での決議
  3. 代表取締役に就任する承諾
  4. 代表取締役就任の登記

以下で概要をお話します。

手続きの違い

取締役会のある会社の場合、取締役会で決議します。
取締役会の無い会社のように、定款株主総会で定めることはありません

進め方としては、「取締役の互選で定める」場合とほぼ同じです。
取締役が集まって決めるのは同じですが、ただ集まって決めるのではなく取締役会で決議します。

これだけだと、違いが良くわからないと言われそうですので、もう少しだけお話します。

詳しくは別途お話しますが、株主総会や取締役会には、開催のための手続きがあります。
これに対して、取締役が集まるだけであれば、手続きを決めることはできますが、手続きが必須ではありません。

集まるために手続きが必要かどうかが大きな違いになります。

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