この記事を読むために必要な時間は約7分(2303文字)です。
解散の手続き
- 投稿日:2018-10-16
- 表示:259PV
- カテゴリ:会社
今回は、その「会社を無くす手続き」の概要をお話します。
目次
廃業手続き
会社を無くす(廃業)手続きは3段階
廃業手続きは次の3段階です。- 解散手続き
- 清算手続き
- 清算完了手続き
解散手続き
前回お話をした、理由により異なる「個別手続き」と理由に依存しない「共通手続き」があります。それぞれについて分けてお話をします。
共通手続き
共通する手続きは次の二つです。- 清算人を決める
- 登記をする
- 決算をする
清算人を決める
解散すると、経営から廃業するための活動に切り替わります。このため、解散後は取締役から清算人へと名前が変わります。
同様に代表取締役から代表清算人へと名前が変わります。 この清算人・代表清算人を決める手続きについては、別途お話をします。
また、会計監査人や会計参与など経営に必要な役員も不要になりますので、辞めることになります。
登記をする
解散した場合、その登記が必要です。登記の時には、清算人・代表清算人の登記を同時に行います。
登記手続きについては、司法書士や法務局にご相談ください。
決算をする
解散した時点の会社の財産状況を確定するため、決算を行います。決算後に税務手続きが発生します。
税務手続きについては、税理士や税務署にご相談ください。
個別手続き
前回お話をした、理由により異なる手続きです。前回お話した内容は、つぎのようになっています。
- 事業が立ち行かなくなって存続が困難になった場合
- ある条件を満たした場合
- 存続が困難と判断された場合
- 合併した場合
事業が立ち行かなくなって存続が困難になった場合
株主総会で決議する場合や裁判所による「破産手続開始の決定」がある場合など、存続が困難になったとの判断が必要です。この判断のために必要な手続きを行います。
具体的には、「株主総会の開催」や「裁判所への破産手続き」などです。
ある条件を満たした場合
この場合は、基本的には、個別の手続きはありません。ただし、条件に依存する手続きがある場合もあります。
存続が困難と判断された場合
この場合は、基本的には、個別の手続きはありません。ただし、「解散を命ずる裁判」のように、裁判が前提になっている場合もあります。
この場合、訴えられてのことであり、会社が自主的に行う手続きではないので、「手続きはない」という表現をしています。
合併した場合
この場合は、合併の手続きが必要です。合併の手続きについては、別途お話をします。
清算手続き
この清算手続きと次の清算完了手続きについては、先ほどお話したように取締役ではなく、精算人が手続きを行います。基本的な清算手続きは、取引先との債権債務の清算や株主への配当のため活動です。
手続きは、大きく分けると次の3つになります。
- 財産を配当できるよう現金化する
- 取引先に連絡する
- 官報に掲載する
- 債権債務を清算する
- 株主へ配当する
財産を配当できるよう現金化する
会社の財産を現金化します。現物支給の場合もありますが、現金の方が配当などがしやすいので、基本的には現金化を行います。
小売店などのように商品がある場合、返品ができなければ、販売するしかありません。
このため、清算人には、現金化するために必要最低限の営業活動が認められることもあります。
取引先に連絡する
債権債務を清算するために、取引先に解散したことを連絡します。締日などの関係で、日々の取引の債権額や債務額が確定していない場合もありますので、確定を促します。
官報に掲載する
取引先に連絡していたとしても、漏れがあるかもしれません。このため、官報に解散したことを掲載して、公告します。
ただし、掲載したからOKというわけではありません。
官報を見て債権額や債務額を知らせてくる人を待つ必要があります。
当然、債権額や債務額を計算する時間も必要となります。
このため、次の「債権債務の清算」には、官報掲載の日の翌日から、最低でも2ヶ月以上は、連絡を待つ必要があります。
債権債務を清算する
連絡があった債権者への返済や債務者への取り立てなどの清算を行います。返済日が決まっているなど、債務内容によっては、すぐに取立てできない場合もあります。
このため、時間がかかることもあります。
株主へ配当する
債権債務の清算が終わって、資産が残った場合、株主への配当を行います。なお、資産が残らない場合、株券は紙くずにおなります。
清算完了手続き
「債権債務の清算」と「株主への配当」が終わると、会社の財産は0となります。0になった後に次の手続きがあります。
- 登記をする
- 決算をする
登記をする
清算が完了したことを登記して、社外的に知らせます。登記手続きについては、司法書士や法務局にご相談ください。
決算をする
会社の財産状況が0になったことを確定するため、決算を行います。決算後に税務手続きが発生します。
税務手続きについては、税理士や税務署にご相談ください。
ご注意
以上が、会社を無くす(廃業)手続きの概要です。許認可事業を行っていた場合など、解散時の会社の状況により、この概要と異なる手続きが必要になる場合もありますので、ご注意ください。
タグ:代表取締役, 会計参与, 会計監査人, 取締役, 定款, 役員, 株主総会
広告枠・・・広告やリンク先の保証はしません | |
---|---|