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情報管理に関する個人情報取扱事業者の義務とは? その2

個人情報取扱事業者の義務」の概略については、既にお話しました。
前回に引き続き、今回は、この「個人情報取扱事業者の義務」の中から、情報管理に関連する義務についてお話します。


情報管理に関連する義務とは?

前回のおさらいです。
情報管理に関連する義務は大きく分けると以下のように分けられます。
個人情報の対象である本人との対応の義務です。
  1. 保有個人データに関する事項の公表等
  2. 開示
  3. 訂正等
  4. 利用停止等
  5. 理由の説明
  6. 開示等の請求等に応じる手続
  7. 手数料
  8. 事前の請求
今回は、2番目の「開示」から4番目の「利用停止等」についてお話します。

開示

一つ前の手続きで開示の請求を受けたときには、保有する個人データを開示しなければいけません。
ただし、次の場合は、保有する個人データの全部や一部を開示しないことができます。
  1. 本人又は第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれがある場合
  2. 当該個人情報取扱事業者の業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合
  3. 他の法令に違反することとなる場合

本人又は第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれがある場合

第三者に影響があるというのは想像できそうですが、本人の情報なのに公表しないというのは想像しにくいのではないでしょうか。
想像しにくい!と思われた方も居る(はず)なので例でお話します。

例としては、医師など病名を伝える時です。
現実問題として、病名を伝えると、患者本人の心身状況を悪化させる可能性がある場合、医師などが本人にその情報を伝えないことがあります。
法的に認めないと伝えなければならないことになります。
伝えられないのに伝えなければならないというのは、問題です。
このため、この場合、法的にも伝えなくても良いとしたのです。

当該個人情報取扱事業者の業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合

これは例を挙げたほうがわかりやすいので、例でお話します。

例えば、同一人物から複雑な対応が必要な請求を繰り返し要望された場合です。
他の請求に影響が出たりするなど、業務に著しい支障が出るような場合は、開示しないことができます。

他の法令に違反することとなる場合

法令で公開することが禁止されるような場合は開示しないことができます。

ご注意

全部や一部を開示しないことできる場合であっても、請求には回答しなければなりません。
その回答には、開示しないことを本人に伝えなければなりません。

また、開示請求があっても、該当する個人データを保有していない場合も、保有していないことを請求者に伝えなければなりません。

訂正等

訂正等には、「訂正」「追加」「削除」があります。
本人は、間違っている個人データを訂正したり、不足している個人データを追加したり、不必要な情報があれば削除することを請求ができます。
請求された個人情報取扱事業者は、原則として訂正等をしなければなりません。
訂正等をした場合は、そのことを本人に通知しなければなりません。
通知されないと訂正等されたのかわからないですから。

例外は?

「原則として・・・」とあるので、例外があります。
例えば、使用目的に合わせた場合、訂正等が必要ない場合が該当します。
必要ない訂正等に手間をかける必要はありません。

また、誤っているとの指摘の方が誤っている場合も、訂正等は不要、というより訂正等をすると正しい個人データが誤ることになるので、訂正等は不要です。

どちらの場合も、請求者には、訂正等をしないこと通知しなければなりません。

利用停止等

この利用停止等には、「利用の停止」「削除」があります。

取得時の義務違反や使用目的にない第三者提供など個人情報取扱事業者の義務に違反している個人データをそのままにしておくわけにはいきません。
このため、本人は、利用停止等を請求することができます。

請求を受けた場合、その請求が義務違反などがある正しい請求であれば、応じる必要があります。

取得義務違反であれば、利用の停止や削除しなければならないです。
第三者へ提供するものであれば、提供を停止しなければなりません。

利用等の停止等をしなくても良い場合

ただし、提供停止には多額の費用がかかる場合で、本人の権利保護に他の方法がある場合は、その方法をとることで提供の停止等に変えることができます。
言い換えると、代わりになる方法が無い場合は、多額の費用がかかっても提供の停止等をしないといけません。

請求に対する返事は必要

今までのお話でも出てきたのですが、利用停止等をした場合もしない場合も、請求してきた本人に停止等をしたとかしないとか結果を通知する必要があります。
何度もお話しているので、当たり前といわれればそれまでですね。


次回は、次の「理由の説明」からお話します。

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