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議事録は見せる必要がある? ~ 株主総会・取締役会議事録の閲覧について ~

「議事録は見せる必要がある?」とご質問いただきましたので、ご紹介いたします。
ご質問の議事録とは株主総会議事録だったのですが、基本的に取締役会議事録も同じなので、合わせてお話をします。

株主総会議事録・取締役会議事録

議事録関係のご質問

株主総会の議事録、保管していますか?」をお読みいただいた方から、ご質問をいただきました。
議事録関係の質問を合わせて頂きましたので、まとめています。
他にも気になることがございましたら、ご覧ください。

回答

見せる必要があります
対象者条件が法令で決まっている事項ですので、適合する方からの請求には応じなければなりません

対象者は?

対象者は、株主総会議事録も取締役会議事録も変わりません。
次の3者です。

  • 株主
  • 債権者
  • 親会社の社員

条件は?

条件は株主総会議事録と取締役会議事録で異なります。
分けてお話をします。

株主総会議事録

株主総会議事録の場合は、次の2つのグループで違いがあります。
  1. 株主及び債権者
  2. 親会社社員
それぞれの条件は、次のとおりです。

株主及び債権者

  • 株式会社の営業時間内に請求すること

それ以外の条件がありません。
一番条件が少ないグループです。

親会社社員

  • 株式会社の営業時間内に請求すること
  • その権利を行使するため必要があること
  • 裁判所の許可を得ること

裁判所の許可を得る必要があるので、手続きが大変です。

取締役会議事録

取締役会議事録の場合は、次の4つのグループになります。
なかなか複雑です。
  1. 株主(監査役非設置会社)
  2. 株主(監査役設置会社)
  3. 債権者
  4. 親会社社員
それぞれの条件は、次のとおりです。


株主(監査役非設置会社)

  • 株式会社の営業時間内に請求すること
  • その権利を行使するため必要があること

株主(監査役設置会社など)

  • その権利を行使するため必要があること
  • 裁判所の許可を得ること
条文上は「株式会社の営業時間内」を「裁判所の許可を得て」と置き換えています。
このため、営業時間内であることは条件ではないように見えます。
実務的には、営業時間内になるはずですが。。。

債権者

  • 役員又は執行役の責任を追及するため必要があること
  • 裁判所の許可を得ること
債権者の場合は、責任追及に限定されていることが特色です。

親会社社員

  • 役員又は執行役の責任を追及するため必要があること
  • 裁判所の許可を得ること
債権者と同じです。

まとめ

株主総会議事録に比べ、取締役会議事録の方が閲覧しにくくなっています。
取締役会が設置されている会社は、会社の経営を任されています。
経営の方針など会社の重要事項が不用意に広がらないようにしています。

その反面、取締役が悪さをして隠されると、防ぎようがなくなります。
このため、悪さを監視できる監査役が居るかどうかで、条件が変わっています。
「取締役会があるのに、監査役が居ないということがあるのか?」とのご質問には、次回お話をします。


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