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議事録は誰が作成しなければならないのでしょうか? ~ 株主総会・取締役会議事録の作成について ~

「議事録は誰が作成しなければならないのでしょうか?」とご質問いただきましたので、ご紹介いたします。
前々回お話をした「議事録は作成しなければならないのでしょうか?」と合わせて、ご質問をいただきました。
ご質問の議事録とは株主総会議事録だったのですが、一部を除き、取締役会議事録も同様なので、合わせてお話をします。

株主総会議事録・取締役会議事録

議事録関係のご質問

株主総会の議事録、保管していますか?」をお読みいただいた方から、ご質問をいただきました。
議事録関係の質問を合わせて頂きましたので、まとめています。
他にも気になることがございましたら、ご覧ください。

回答

株主総会議事録・取締役会議事録のどちらも取締役が作成します。

取締役が複数いる場合は?:株主総会議事録

決め方

複数の取締役がいる場合の株主総会議事録は、次のような方法で決めることが多いです。

  1. 定款で規定がある
    • 規定された取締役
  2. 定款に規定がない
    • 慣例で決まっている
    • 株主総会で決める
    • 取締役が相談して決める

株主総会議事録は、多くの会社で、定款に作成者の規定があることが多いです。
雛形として公開されている定款に、記載があるからかもしれません。

規定の内容としては、代表取締役が作成者になっていることが多いです。
慣例で決まっている場合も、代表取締役になっていることが多いです。

なぜ代表取締役が多い?

株主総会議事録には、「議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名」を記載しなければならないと会社法施行規則で決まっています。
この「職務を行った取締役」は、作成責任者という意味だと考えた方が分かりやすいです。

取締役の「職務」ですから、単に議事録を作成するだけではなく、作成内容に責任が生じます。
取締役の義務である「善管注意義務」があるからです。

しかし、議事録を一から作成しなければならないというわけではありません。
総務課などの従業員が作成した議事録を、作成内容に誤りがないかを確認することもできます。
これは、取締役の「職務」は、従業員に指示をして、一からすべて行う必要がないことと同じです。

取締役が複数いる場合は?:取締役会議事録

決め方

複数の取締役がいる場合の取締役会議事録は、次のような方法で決めることが多いです。

  1. 取締役全員
  2. 慣例で決まっている
  3. 毎回、取締役会で決める
  4. 取締役が相談して決める

定款で決められない?

禁止規定はないので、定款で決めることもできます。
ただ、実務で取締役会議事録の作成者についての定款規定を見たことがないです。
これは、取締役会議事録の取扱が株主総会議事録と異なることから考えることができます。

株主総会と異なり、取締役会の議事では、ある取締役が反対したと明記がない場合、賛成したと推定されます。

取締役が賛成したと推定されると、困ったことが起こります。
例えば、取締役の義務としてすでにお話をした「利益相反取引」では、決議に賛成した取締役にも損害賠償責任が生じることがあります。
このため、反対したと明記されないことは取締役にとって、とても重要なことなのです。

重要なので、株主が決める定款の規定にはふさわしくないという考え方があるためです。

取締役全員

重量な内容のため、全員が作成者となるということもあります。

実務としては、2番目から4番目のように作成責任者を決めて、取締役会に出席した取締役全員が確認し、議事録とすることもあります。

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