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単元株式未満の株主ができることとは?

前回までは、単元株制度でお話していなかった単元株式数未満の株式を持つ株主ができないことについてお話しました。
今回はその逆、単元株式数未満の株式を持つ株主だけができることについてお話します。

単元株式数未満の株式を持つ株主ができる事ついて

基本的な考え方

単元株式数未満の株式を持つ株主は議決権が無かったり、定款の規定によっては他の株主ができることができなかったりします。

株主が平等でなくなるため、会社法ではこのような単元株式数未満の株式を持つ株主が居ることは好ましくないと考えているようです。

好ましくない状態を解消するためには、以下の2つの方法のどちらかを取るしかありません。

  1. 株主の株数を減らして単元株式数又は0にする。
  2. 株主の株数を増やして単元株式数にする。

会社法では、上の2つの方法に合わせてそれぞれ制度を設けました。

株数を減らして単元株式数にする。

単元株式数になるまで株数を減らせば、その株主は、もう、単元株式数未満の株式を持つ株主ではなくなります。
最初に単元株式数に満たない株しか持たない株主の場合は、減らすと0になるため、株主ではなくなります。
当たり前ですが、株主でないのですから、単元株式数未満の株式を持つ株主でもなくなります。

このようにして、単元株式数未満の株式を持つ株主ではなくすのです。

と言って、会社法では株主には平等であってほしいので、特定の株主だけ株数を減らす、ましてや株主で無くすようなことはできません。

そこで、単元株式数未満の株式を持つ株主から会社に足りない分の株式を売ってもらい、単元株式数だけを持つ株主株主ではなくなってもらうことを考えました。

それが、単元未満株主の買取請求です。

この買取請求を言い換えたのが、単元株式未満の株主ができないこととは? その1でお話した「単元未満株式を買い取ることを請求する権利」です。

株数を増やして単元株式数にする。

単元株式数になるまで株数を増やせば、その株主は、もう、単元株式数未満の株式を持つ株主ではなくなります。
と言って、会社法では株主には平等であってほしいので、特定の株主だけ株数を増やすようなことはできません。

そこで、単元株式数未満の株式を持つ株主に会社から足りない分の株式を買ってもらい、単元株式数を持つ株主になってもらうことを考えました。

それが、単元未満株主の売渡請求です。

問題なのはこの時の株価

会社との取引による株価については、端株に対する処理として、株式の併合について1株式の併合について2でお話したように色々な要因により決め方が変化します。

結論だけ言うと、市場価格がある場合はその価格、無い場合は話合いによって決まります。
話合いで決まらなかった場合は、端株同様、裁判所に申し立てて株価を決めてもらうことになります。

この株価により、会社と単元株式数未満の株主が売買をします。

売買をするのですから、株券発行会社では、株券の受け渡しが必要ですので、お忘れなく!

注意

株価が良いと言って、単元株未満の株数以外の株の取引の請求はできません。
話合いで決めた場合等、株価が株主に有利な価格になっていることがあります。
その場合、株主は、単元株式数に合わせるだけではなく、もっと取引したいと考えることもあるでしょう。

例えば、売却請求の時に株価が高く設定されたり、買取請求の時に株価が安く設定されたりしたら、単元株意識数に合わせる以上の取引をしたくなるのではないでしょうか。

しかし、会社法では株主には平等であってほしいので、特定の株主だけ株数を増減するようなことはできません。
あくまで、単元株式数未満で制限がある株主を救済しようという制度なので、それ以外が請求できる制度ではありません。

このように、株価によっては、特定の株主だけ優遇される状態なることがあります。
そこで、影響が残る制度を無条件には使えないようにしています。

株式を減らす(=買取請求)のであれば、議決権が無くなる方向なので、他の議決権を持つ株主へ影響が残ることは無いです。
それに対して、株式数を増やす(=売渡請求)のであれば、議決権が増える方向なので、他の議決権を持つ株主へ影響が残ることになります。

このように、他の株主に影響があるので、売渡請求は、無条件では使えません。

何度かお話しているように、議決権に影響があることは株主にとって重大なことです。

株主にとって重大なことを決めるには、定款で決めます。

具体的には、定款に単元未満株主の売渡請求ができることを記載します。

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