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設立時の株価はどう決めるの?

少し会社の機関についてのお話が続いたので、今回は会社設立に関係するお話をします。
会社設立のお話をしていると「設立時の株価はどのように決めるか?」とよく聞かれます。
実際どのように決めているのでしょうか?
今回はそんなお話です。

設立時の株価とは?

株価の決め方

株価を考えて決めることもあれば、それ以外の要因で決まることもあります。

では、どのように決めるのでしょうか?

株価と出資額、発行株数の関係

株価と出資額、発行株数の関係式

設立時なので、会社の資産価値=出資額となります。
まだ何もしていないうちから会社の資産価値が変動していることは、ほとんどの場合ありません。

蛇足ですが、上場株式など現物出資財産の価値が変動していることはあるので、絶対ではありません。
そうであっても、どの時点の株価かを定めるなどの方法で、価値を変動しないように考えていることが多いです。
そうしないと、出資額が決まらないからです。

このような状態では、株価と出資額、発行株数には、以下のような関係があります。

  1. 株価=出資額÷発行株数
  2. 出資額=株価×発行株数
  3. 発行株数=出資額÷株価

3種類ありますが、どれも形を変えただけの同じ意味の式です。
この関係式からわかるように、株価と出資額、発行株数の内、どれか2つが決まると、残りの一つが決まります。

発起人だけで設立する場合、出資額が決まっていることが多い

実務的に多いのは出資額が決まっていることです。

会社を始めようとする場合、手元にあるお金や資産から出資するので、限りがある場合が多いです。
また、「設立に際して出資される財産の価額又はその最低額とは?」でお話したように、会社を運営していく上で必要な金額に合わせていることもあります。

このように、出資額が決まっていることは多いです。

発起人以外に設立時に株主になる人が居る場合は募集株価と発行株数を決めないといけない

実際、発起人だけで会社を設立する場合は、株価と発行株数のどちらかをわりと自由に決められます。
出資額が決まっているのですから、一方が決まればもう片方が決まります。

ところが、発起人以外に設立時に株主になる人が居る場合は、発起人だけでは出資額が決まりません。
他の人がいくら出資するかわからないからです。
このような場合、出資額が決められませんので、株価と発行株数を決めることになります。

発起人とそれ以外の人がどのくらいの株式の比率を持ち合うか?というのは、会社の運営上、大きな問題になってきます。
このため、発行株数がどのような割合にするか?を考えることが多いです。

また、株価があまり高いと1株に満たない出資額では出資できないことになります。
なら1円にすればよいかというとそうとも言えません。
1株しか持たない株主が居た場合、設立時株主総会の招集などの手間を考えると株価が1円では事務手続きで設立時から赤字に・・・なんてことにもなりかねません。

念のため申しますが、募集時に条件を設けて赤字にならないようにすることもできるため、1株1円がダメというわけではありません。
余り考えずに1株1円ではダメということです。

発行株数に対して、株価の場合は、管理しやすいとかキリが良いとかある程度の自由度はあります。

発起人以外に設立時に株主になる人が居る場合はでも株価が決まることも・・・

発行株数が決まれば、以下のように発起人の出資額から逆算する方法もあります。

  • (募集時の)株価=(発起人の)出資額÷(予定している)発行株数

発起人以外の株主になる人が決まれば発行株数が決まるので、最終的な出資額は、以下のようになります。

  • (最終的な)出資額=(募集時の)株価×(最終的な)発行株数

今回は、設立時の株価の決め方をパターン訳してお話をしました。

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