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競業忌避 ~ 取締役の忠実義務の規則 ~

3回にわたり、取締役の義務として、「忠実義務」のお話をしています。
「忠実義務」の中で、「会社の利益を犠牲にしていない」ことを実現する規則あるとお話をしました。
前回「利益相反取引の制限」のお話をしましたので、今回は、「競業避止義務」です。

競業避止義務

「競業避止義務」は、(きょうぎょうひしぎむ)と読みます。
最初にその意味についてお話をします。

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意味

競業」とは、会社と同じ業種を行うような競争関係にある業務です。
避止」とは、漢字の意味するとおりと「避(さ)ける」「止(や)める」ことです。

代表例

競業」の代表例は、次の2種類に分けられます。

  1. 同業他社の取締役になる
  2. 同業他社の製品を売買する

同業他社の取締役になる

他社の取締役になるということは副業ができないといけないことになります。
それでは、取締役は副業ができるのでしょうか?
「働き方改革」と言われるようになって、従業員でも副業ができるところは増えてきました。
それでも、まだまだ一般的には、副業は禁止されているでしょう。
それに対して、取締役は、一般的に副業を禁止されていません
実例としては、上場企業の社外取締役です。
社外取締役と言われる方は、他社(多くの場合、別の上場企業などの大企業)の取締役であることが多いです。
副業禁止では、このようなことは少ないでしょう。

話を戻すと、取締役は他社の取締役になることができるのです。

この他社が同業者か?それとも異業者か?が問われるのです。
違う業界であれば、仕事の仕方や取引関係先が異なりますので、「会社の利益を犠牲」にする可能性はすくないでしょう。
それに対して同業者であれば、全く同じとは言わなくても、仕事の仕方や取引関係先が近かったり、同じということもありえます。
場合によっては、他社の利益のために、取引先に近づくことも考えられます。

このため、会社からすると取締役には、「同業他社の取締役になる」ことは避けて欲しいのです。

同業他社の製品を取引する

こちらはもっと直接的です。
他社製品を仕入れて、売買などの取引をします。
注意することは、単純な売買ではなく、取引だということです。

例えば、文具メーカーの取締役が競業他社の消しゴムを一つ買ったとしましょう。
確かに競業他社の利益につながります。
しかし消しゴム一つで、株価や会社の業績に影響を与えるような、「忠実義務」のお話で出てきた「会社以外の利益を得るような行動」とまでは言えないでしょう。

それでは、文具店を開業して、競業他社製品を扱う場合はどうでしょうか?
売れ行き次第ではありますが、「会社以外の利益を得るような行動」と言えるような場合も起こり得るでしょう。

このように、「競業」になるかどうかは、数量や金額など内容によって判断されます。

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義務とは?

それでは、どのような「義務」があるのでしょうか?

義務の内容

基本的には、「競業」になることを「避(さ)ける」「止(や)める」ことです。
しかし、これには問題があります。

問題は人権

憲法では、人には「職業選択の自由」が認められています。
その他、「財産権」が認められています。
義務とは言え、他人の人権を無制限に制限することはできません。
「職業選択の自由」があるので、「競業他社の取締役になること」を禁止できません
しかし、「競業他社の取締役になること」を許可すると、業績の低迷などから株価が低下し、株主の「財産権」が侵害されることも起こりえます。
どちらも困るのです。
そこで考えました。
「財産権」の侵害は業績への影響の度合に依存するとも言えます。
度合ですから、一律に決められないので、判断を会社にさせることにしました。

前回の「利益相反取引の制限」のお話で出てきた、「制限」と同じく、「取締役会(無い場合は株主総会)」で、事前に、承認決議をさせるのです。

「取締役会の決議で大丈夫?」のところでお話をした規定も同じです。

競業」の判断をするのですから、数量や金額など内容によって判断されます。
営業地域や取引期間、利益予想なども判断材料ですので、競業他社の取締役になろうとする取締役は「取締役会(無い場合は株主総会)」に説明資料として情報提供する必要があります。

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