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忠実義務 ~ 取締役の義務について ~

前回、取締役の義務として、「善管注意義務」についてお話をしました。
今回は、もう一つの「忠実義務」についてお話をします。

取締役の義務とは?

取締役の義務

取締役の義務を大きく分けると次の2つです。

  1. 善管注意義務
  2. 忠実義務

忠実義務

取締役は、株主から経営を依頼(委託)されているのです。
よく知っている人として依頼されたのですから、経営を忠実に行わなければなりません。

忠実義務に即して経営を行うのは、次の2つの内容を行うことが必要です。
  1. 忠実に経営を行う
  2. 会社の利益を最大にする経営を行う

忠実に経営を行う

忠実に行うために、
  • 法令
  • 定款
  • 株主総会の決議
を遵守しなければなりません。

法令違反は説明するまでもありませんね。
定款は、すでにお話をしているように、会社についての運用などの規則や決定事項を記載した書類のことです。
規則や決定事項ですから、守る必要があります。
また、株主総会の決議も守る必要があります。
株主総会は、「株主総会とは?」でお話をしたように、次のようなことを行います。
  1. 会社の方針を決める
  2. 取締役が活動する内容を決める
  3. 取締役の活動をチェックする

取締役会がある場合でも、「活動をチェック」のように取締役についても決議します。
決議に従わないとなれば、チェックとしても意味がありません。
このため、株主総会の決議にも従う必要があります。

会社の利益を最大にする経営を行う

ほとんどの株主からは、利益を上げる経営を行うことが期待されています。
このため、次の2つの指針に従う必要があります。
  • 会社の利益が最大化するように行動する
  • 会社の利益を犠牲にして自己や第三者の利益を図るような行動をしない

一つ目の「利益の最大化」は「利益を期待されている」のですから、説明するまでもないですね。
もう一つは少しお話をした方が良いかもしれませんので、お話をします。

利益を犠牲

会社の経営では、短期的な利益を犠牲にしても長期的な利益を追求することもあります。
長期的な利益が犠牲にした短期的な利益より大きければ、利益を上げるという目的は達成できたとも言えます。
このため、単に「会社の利益を犠牲にしてはいけない」となってはいません
取締役や他の人のような会社以外の利益を得るような行動をしてはいけないとの条件が付きます。

逆の見方をすると「会社の利益を犠牲にしない」「会社以外の利益を得るような行動」はしてもよいことになります。
取締役とは言え、人ですから、憲法で守られた人権があります。
このため、自分の利益を得るような行動をしてはいけないとは言えません。

しかし、何をやってもよいとなると、委任している意味が無くなります。
このため、「会社の利益を犠牲にしない」の判断を厳しくしています。
前回お話をした「善管注意義務」がありますから、自分の基準で「会社の利益を犠牲にしていない」と言うことはできません。
株主などの他人が「会社の利益を犠牲にしていない」と判断する基準となります。

これを具体的に実現したものとして、次のような決まりがあります。

  1. 利益相反取引の制限
  2. 競業避止義務

次回は、この決まりのお話をします。

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