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エンジニアのための著作権入門

著作人格権は譲渡できますか? ~ 著作権を譲渡する契約での注意点 ~

「『著作権は、ソフトウェアを納品した時に、全て発注者に帰属する』と契約書に記載したら、発注者名で公表することは可能ですか?」とご質問いただいたのでこちらでご紹介します。

今回ご紹介するのは、一般的な開発でのお話です。
共同開発など開発方法や契約内容によっては異なることがありますので、ご注意ください。

著作者人格権については、既に、「著作者人格権について」でお話済みですので、ご覧ください。

著作人格権は譲渡できますか?

このご質問のポイントは、次のような点です。

  1. 著作者人格権の譲渡
  2. 著作者人格権:氏名表示権
  3. 著作者人格権:公表権

質問の回答は、「発注者名で」「公表すること」の二つに分かれます。
それぞれについてお話します。

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著作者人格権の譲渡

この回答は、既に、「著作者人格権について」でお話済みですので、詳細はそちらに譲りまして、簡単にお話します。

結論:『著作者人格権』は、【譲渡できません】(著作権法第五十九条)。

著作権法でできないと規定があるので、契約書にどのように記載されていようと、譲渡できません。

著作者人格権:氏名表示権

「発注者名で」公表することは、著作者人格権の氏名表示権※に該当します。
『著作者人格権』が譲渡できないため、著作権者に氏名表示権があることになります。
このため、著作者の許可がない限り、「発注者名で」公表することはできません

※「氏名表示権について」でお話していますので、ご覧ください。

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著作者人格権:公表権

発注者名で「公表すること」は、著作者人格権の公表権※に該当します。
『著作者人格権』が譲渡できないため、著作権者に公表権があることになります。

しかし、ここで注意が必要なことがあります。
公表権について」でお話していますとおり、著作権法第十八条第2項の規定により、「著作物を譲渡した場合、著作物の公表に同意したものと推定されます」。
このため、氏名表示権の時と異なり、著作者の許可がなくても、公表することできる可能性があります

はっきり公表できると言わない理由は、例えば、次のような理由からです。

  • 氏名表示権により、「著作者名が異なる表記」または「著作者名の表記をしない」など、譲渡を受けた人の意に沿う公表ができない
  • 著作者の人格を否定するような方法での公表はできない
  • 推定されているだけなので、明確に公表しないとわかるような場合は公表できない

など、譲渡を受けた人が公表するには、他にもいろいろな条件がありますので、「公表できる」とまでは言えません。

※「公表権について」でお話していますので、ご覧ください。

その他に譲渡で注意したい事

譲渡に関係して注意した方が良いことがもう一つあります。
それは、「譲渡の特約」です。
すでにお話している内容なので、詳しくはリンク先をご覧ください。

ここでは一言、「質問の表記では譲渡されない著作権が存在する」ことだけお話して、ご質問の回答とさせていただきます。

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参考記事(一部広告含む)


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