ビジネス初心者のための契約書入門

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契約書に貼る収入印紙の費用は誰が出すの? ~ 契約に関する費用について ~

「契約書に貼る収入印紙の費用は誰が出すの?」とご質問頂いたので、こちらでご紹介します。
契約の対価について」で簡単にお話しているのですが、わかり難いとのことなので、改めてお話します。

契約に関する費用について

質問内容

契約書には、収入印紙を貼る必要があるもの(=課税文書)があります。
勘違いされていることが多いですが、収入印紙を絶対貼らなければならないモノではないです。
印紙税法上で必要とされる場合に収入印紙を貼る必要があります。
印紙税法上のお話は、「印紙の基礎:納税義務者」でお話をしますので、今回は実務的な穂話をします。。

少し脱線しましたが、収入印紙を貼るとして、この収入印紙の購入代金を誰が出すのか?というご質問です。

回答

契約書に規定が無ければ、「契約の対価について」でお話しているとおり、当事者が等しい割合で出す、折半です。

契約書を2通作って、当事者双方が持つような場合は、それぞれが持つことになる契約書に貼る収入印紙を買って、契約書に貼り付け、押印(=消印)します。

ご質問の場合は、1通しか作らない場合でした。
実務では、収入印紙の費用がかかるので、2通作らず、1通のみとして、一方が原本を、もう一方がコピーを持つようなことがあります。

尚、甲が持つ、乙が持つという決まりはありません。
このあたりは、「契約書の甲乙、甲は誰?乙は誰?」でお話しています。

また、脱線してしまいました・・・

実は、「原本を持つ方が出すべきではないか?」というのが質問者さんのご意見でした。

これなんですが、実は、決まりはないです。
民法には、契約自由の原則があります。
このため、「決まっていなければ折半して、決まっていたら決まりに従って・・・」という意味合いの規定です。
どちらかにしなさいと言う規定はないのです。

わかり難いので、モノを作る契約を例にお話します。
実際、モノを作る人(受注者=お金を受け取る人)がお金を出すと言った場合、以下の二つに分かれます。
  1. 契約の対価を材料費や手間賃、儲けなどだけにして決める
  2. 契約の対価を材料費や手間賃、儲けなどに収入印紙の分を上乗せして決める

1の場合は、モノを作る人(受注者=お金を受け取る人)が払うと言えます。
しかし、2の場合は、結局はお願いした人(発注者=お金を出す人)が払うことになると考えられます。

お願いした人(発注者=お金を出す人)がお金を出すと言った場合も以下のように、ほぼ同じです。

  1. 契約の対価を定価などの他の人と変わらない金額だけにして決める
  2. 契約の対価を定価などの他の人と変わらない金額から収入印紙の分を減額して決める

決めて合っても、契約の対価を変えれば、どうにでもなります。
また、脱線でお話した「契約書の甲乙、甲は誰?乙は誰?」のように、力関係があるような場合もあり、一概に決められません。

結局は「契約の対価」同様、契約の当事者が相談して決めることになります。

注入印紙に限った話ではない・・・

ご質問が収入印紙だったので、収入印紙を例にお話しました。
ただ、このお話は収入印紙に限ったお話ではありません。

例えば、
  1. 契約書をきれいに製本する場合の製本費用
  2. 契約書の紙代や印刷代(枚数が多い時に問題になることも・・・)
  3. 契約書を郵送する場合の郵送料
  4. 契約書の内容を相談する場合の会議費
など、いろいろとあります。

これらも決まりが無ければ折半となります。

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