ビジネス初心者のための契約書入門

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印紙税法上の契約書とは? ~ 印紙の基礎6 ~

7回に渡り、印紙についてお話をしています。
本講座は契約書のお話をしています。
既にお話をしたように、契約書でも、印紙が必要な課税文書にならないものがあります。
今回は、印紙税法上の契約書とはどのようなものか?をお話します。

印紙の基礎

一言「印紙」といっても、お話する内容は多岐にわたるので、下記のような順番でお話をします。

  1. 納税義務者
  2. 納税地
  3. 税率・税額
  4. 印紙のお話で出てくる文書
  5. 課税文書の分類
  6. 課税文書の数え方
  7. 課税文書の呼び方
  8. 重要事項がないと課税文書にならない?
  9. 印紙税法上の契約書とは?
  10. 印紙代を決める契約金額とは?
  11. 課税文書が複数の分類に該当するが?

印紙税法上の契約書とは?

印紙税法別表第1の冒頭に「課税物件表の適用に関する通則」という部分があります。
この通則の5で「契約書」について定めています。
注意が必要なのは、対象です。
別表第1の第一号、第二号、第七号、第十二号から第十五号以外は、契約書以外が対象のため、今回の内容と無関係なので、ご注意ください。

契約書の条件

契約書の条件は、次のように分解できます。
  1. 名称のいかんを問わない
  2. 契約と契約の予約の双方
  3. 契約の成立等を証する文書

名称のいかんを問わない

契約証書、協定書、約定書など、名称は問われません
これは、本講座でも、「表題(タイトル)の名付け方について」でお話をしていますが、法令では、表題は問わないです。
これは、表題を変えれば法令から逃れられる・・・という抜け道を作らないようにするためです。

契約と契約の予約の双方

契約だけではなく、契約の予約も含みます。

契約の成立等を証する文書

これは次の3つの文書に分けられます。

  1. 契約当事者の全員が署名押印(記名捺印)した文書
  2. 契約当事者の一部が署名押印(記名捺印)した文書
  3. 契約当事者が全く署名押印(記名捺印)していない文書

1番目には不要ですが、2番目3番目には追加条件があります。

追加条件とは?

追加条件は次の2つです。
  • 当事者間の了解で契約の成立等を証する文書
  • 商慣習に基づき契約の成立等を証する文書

これは、契約の成立等を証明できるか?という問題があるからです。
基本的には、全員が署名押印(記名捺印)することで契約が成立したと判断します。
2番目3番目は、全員が署名押印(記名捺印)していないので、そのままでは契約が成立しません。
しかし、「契約について」でお話をしているように、契約は文書がなくても成立します。
このため、「了解してとわかる場合や商習慣で決まっていることを含める」と考えればよいでしょう。

契約当事者の全員が署名押印(記名捺印)した文書

基本的に、契約書は、「契約当事者の表示について」でお話をしているように、契約当事者の全員が署名押印(記名捺印)します。
他の2つと違って、全員が署名押印(記名捺印)しているので、追加条件がありません

契約当事者の一部が署名押印(記名捺印)した文書

念書、請書などと呼ばれる文書は、契約当事者の一方が他方に提出します。
この場合、提出する側の署名押印(記名捺印)はあっても受領する側の署名押印(記名捺印)はありません
追加条件を満たせば、このような文書も、含まれます。

契約当事者が全く署名押印(記名捺印)していない文書

契約当事者の署名押印(記名捺印)が、何もない文書になります。
そのような文書でも、追加条件を満たせば、含まれます。

次回は、「印紙代を決める契約金額とは?」のお話をします。

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