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バックデートで契約書を作成しては駄目ですか? ~ バックデートとは ~

遡及契約はいろいろとあるので、バックデートで契約書を作成しては駄目ですか?とご質問いただいたので、こちらでご紹介します。

バックデートでの契約

バックデートとは?

最初にバックデート(backdate)の意味についてお話します。

バックデートを約すと、「前の日付けにする」という意味です。

なぜ、バックデートするの?

原則として、契約書作成日が契約締結日になると、作成年月日についてでお話しました。
しかし、契約書作成日と契約期間が乖離しているときでお話したように、実務では、契約の目的を達成するための契約期間と契約書作成日が乖離することが多々あります。
このとき、契約書作成日より前に契約期間の開始日となる、遡及契約のお話をしました。

遡及契約は注意点があるので、遡及契約の注意点というお話もしています。

注意点があるため、会社によっては、遡及契約しなければならなくなった理由を上層部に説明するなど、通常の契約より手間がかかることがあります。
この手間のため、バックデートして、契約書作成日を前の日付で作成して、遡及していないように見せるのです。

駄目か?

それでは、冒頭の質問の回答です。

「駄目か?」と聞かれると、大丈夫とは言えないです。
実際、契約書の作成日だけを前にしているだけで、やっていることは遡及契約と同じです。
同じなので、遡及契約の注意点でお話した内容と同じ注意点が生じます。

また、遡及契約のように前の日付で作成したと確認できる書類がありませんので、何かあったときに、困ることもありえます。

実際はどうか・・・

実務でお話をしていると、「バックデートで作成した契約書」と聞くことはあります。

メールなどで契約内容は合意していて、単純に契約書を作成することだけが遅かっただけなど、先ほどの注意点が生じないこともあります。
また、契約期間が実際の契約書作成日より先にあり注意点が生じないこともあります(なぜバックデートする必要があるのか疑問ですが・・・)。

注意点が生じない場合は良いです。
しかし、多くの場合、先ほど「なぜ、バックデートするの?」でお話したような、社内的な原因が多いです。

注意点が実際に起きて問題にならなければ、誰も問題視しないので、よいでしょう。
しかし、問題になったことをお聞きすることもあります。

問題が起きるようであれば、社内手続きの手間よりも大変なことなので、お勧めはしません。

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