ビジネス初心者のための契約書入門

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なぜ契約書が必要なのか?

なぜ契約書が必要なのか?

『相手を信用していないから必要だ』という方もいらっしゃいます。
では、信用していれば必要ないものでしょうか?

ビジネス向きに限って言えば、私の答えはNoです。

理由

今回は、特にビジネス初心者向けなので、ビジネス上で必要な理由を説明します。
大きく分けると以下の3項目です。
  1. 契約交渉のツールにするため
  2. 法律の範囲内で許されたルールを修正するため
  3. 記録として残すため
一つ一つ見ていきましょう。

契約交渉のツールにするため

ビジネスの現場では、契約交渉に時間がかかりますし、その内容は多岐にわたります。

継続して取引をしている場合は、内容がわかっていることが多いので、いきなり契約書を提示する場合もあります。 しかし、取引が最初の相手の場合、契約交渉をするときに一から話を進めると、説明も大変になるし、何を話したのかわからなくなることもあります。
そこで、基本的な考え方をお話しで合意できた段階で、契約書を作成します。

次に、契約書に書いてあることを、お互いに確認して、問題がある場合は、問題の個所をさらに交渉します。
このプロセスを繰り返すことにより、合意事項の確認もできます。
いうなれば、契約書は、契約交渉のためのツールとして使われることになります。

最終的にお互いが合意して問題ない契約書になると、契約交渉が終了します。

法律の範囲内で許されたルールを修正するため

また、「法律」が出てきました。
少し堅苦しいところもありますが、できるだけわかりやすく書いてみます。

民法91条に以下のような条文があります。

『(任意規定と異なる意思表示) 第九十一条  法律行為の当事者が法令中の公の秩序に関しない規定と異なる意思を表示したときは、その意思に従う。』

『法令中の公の秩序に関しない規定』という難しい言葉を使っていますが、言い換えると、「法令で決まっていても、変えてもよい部分はあります。」となります。

例えば、民法558条に以下のような条文があります。
『(売買契約に関する費用) 第五百五十八条  売買契約に関する費用は、当事者双方が等しい割合で負担する。 』

売買契約に関する費用って何?という方に、代表例を挙げると、契約書に貼る印紙の代金です。
印紙については、別の機会に説明しますが、売買代金により、印紙の代金が異なります。
では、この印紙の代金は誰が払うの?というと、民法の規定では、折半してね。。。となっています。
ところが、どちらか一方のみが出すことや、比率を変える(3:1にする)などの契約をしてもよいのです。

契約交渉の実務の中には、この印紙代をどうするか?ということも、交渉します。
実務では、作成する契約書の冊数などに依存するので、新規の契約形態毎に交渉している場合が多いです。

身近なところでは、不動産の賃貸借契約ですね。
不動産の賃貸借契約では、仲介手数料を一方(通常は部屋を借りる人)のみが支払う契約が多いです。
仲介手数料は1月分と宅建業法で決まっています。
民法の規定通りだとすると、半月分だけ払えばい良いことになりますが、通常は1月分払っています。
これは、契約書で別に決めているからです。
お部屋を借りている方は一度、賃貸借契約書を確認されると新たな発見があるかもしれません。

長くなったので、「記録として残すため」は次回お話をします。

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