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管轄裁判所や準拠法の記載がないとき
- 投稿日:2012-11-23
- 最終更新日:2019-02-02
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- カテゴリ:契約書
質問が届きましたので、こちらでお話します。
管轄裁判所の指定についてや準拠法の指定についてで必要な理由などはお話していましたが、無い場合はどうなるの?という内容です。
結論から言うと、一国内であれば、その国内法・裁判所に、海外が関係する場合、当事者のどちらか一方になることは多いが、はっきりしない結果になることが多いです。
なぜかというと、海外が関係する場合、条約等で統一されていないので、ケースバイケースで判断が分かれるためです。
国の主権の問題もあり、なかなか、条約なども締結できないことが実情です。
基本的には訴えを起こした裁判所が管轄し、その裁判所がある国の法律が適応されると考えた方が良いようです。
が、当てはまらない例もあります。。。
というのも、契約の当事者がそれぞれの自国の裁判所で裁判を起し、それぞれが勝訴するという例があるためです。
条約で統一されているわけでのもないので、海外が関係する契約では、記載はした方が良いです。
以降は、一般的な考え方をまとめたものです。
日本国内だけであれば、お話する通りになります。
目次
管轄裁判所の指定がない場合
日本国内の場合
基本的には、被告(訴えられる側)の住所地を管轄する裁判所(民事訴訟法第4条)になります。- 法人の場合は、その契約に関係する本支店所在地や営業所の所在地
実務的には、通常、支店や営業所が裁判の対応をすることはないので、ほとんどの場合、本店所在地になります。 - 個人の場合は、住所地や個人事業主の営業所の所在地
実務的にも、住所地や営業所所在地になります。
基本的にと言っているのは、不動産のように、対象物の所在地を管轄する場合があるためです。
具体例は、民事訴訟法第5条に列挙されています。
また、特許権など(民事訴訟法第6条)や意匠権など(民事訴訟法第6条の2)などの知的財産権については、東京地裁・大阪地裁のどちらかになります。
海外が関係する場合
当事者の一方が外国籍の人や法人の場合、当事者の一方が訴えた国の裁判所が一審を管轄することになります。訴えた場所が日本国内の場合は、既にお話した場所になります。
海外の場合は、それぞれの国の法律に従うことになります。
準拠法の指定がない場合
基本は契約にもっとも関係する土地の法律に準拠します。例えば、建物の賃貸では、建物が契約にもっとも関係するので、その所在地になります。
このようにわかりやすければよいのですが、輸入品の売買などの契約ではもっとも関係する土地がはっきりしない場合があります。
このような場合、輸入をした国の法律に準拠するのか、輸出をした国の法律に準拠するのか、はっきりしません。
海外が関係する場合は、管轄裁判所・準拠法を必ず、契約書の条文に入れましょう。
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