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前書き(前文)について
- 投稿日:2012-08-30
- 最終更新日:2019-04-18
- 表示:8,333PV
- カテゴリ:契約書の構成
目次
前書き(前文)
記載の要否
ひとつ前のお話しの契約当事者の表示と同様に、こちらも契約書によっては、ありません。ただし、
- 契約当事者の表示
- 前書き(前文)
- 目的条項
どれかが必要な理由
必要な理由は、次の2つです。- 契約の当事者を分かりやすくするため
- 契約当事者の表記を簡素化するため
契約の当事者を分かりやすくするため
前回、契約書では、甲乙などの表記で簡素化するとお話をしました。この甲乙の表記は短くなりますし、多くの契約書で使われていますので、見慣れた人も多いです。
しかし、契約の当事者が誰であるかわかり難いという面もあります。
多くの場合、最後に契約当事者の署名捺印(記名押印)をする場所でも明記されていますが、最後を見ないとわからないというのも読み難いです。
この対策として、契約書の冒頭部分で契約の当事者を明示しておきます。
最初に明示があれば、その後の契約条項を読むときに分かりやすくなります。
契約当事者の表記を簡素化するため
契約当事者の表示の記載がない場合は、以下のような文が前書きに入っています。契約当事者の表示と同じ、賃貸借例を例にします。
賃貸人 伊藤太郎(以下、甲という)および賃借人 株式会社富士山不動産(以下、乙という)
この前書き(前文)以後の条文では、「甲」「乙」と略記します。
なお、前回、甲乙以外の表記方法のお話もしています。
この場合、甲乙を置換えて表記すれば同じです。
記載内容
記載内容は以下の項目が多いです。記載がないことがあるくらいなので、必ずしも、すべてを記載する必要はありません。
- 契約表示者の表示方法
- 契約の主たる目的
- 抽象的な契約の内容
- 契約の経緯など
契約表示者の表示方法
既にお話しした「甲」「乙」やそれ以外の表記のお話しです。契約の主たる目的
土地の売買契約であるとか、建物の賃貸借であるとか、を表示します。抽象的な契約の内容
土地の売買契約であれば、土地についての情報が書いてある契約書の場所などを表示します。例えば、契約書に土地の情報が記載されているときは、
『後記土地について』『以下の土地について』などと表現します。
契約の経緯など
契約を交渉していた時の事情など、経緯を記載します。経緯が分かると、契約条文で記載されている前提条件などが分かるので、わかりやすくなります。
ご注意
記載内容などにもよるのですが、次の目的条項と同じく、抽象的な記載になることが多いため、直接的な法的効力を持たないことが多いです。書かれているから、効力があるとは言い切れないので、ご注意ください。
次は、目的条項(契約の内容)についてです。
タグ:前書き
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