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委託の共通用語 ~ 下請法で使用する言葉の定義 その2 ~
- 投稿日:2020-09-10
- 最終更新日:2020-10-06
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- カテゴリ:下請法で使用する言葉の定義
今回と次回に分けて、「対象となる委託の種類」のお話をします。
対象となる委託のお話の前に、今回は、下請法では定義されていない共通する用語の説明をお話します。
次回、それぞれについてお話しする予定ですが、詳しくお話をすると、長くなるので、ポイントだけお話をし、詳しくは別の回とします。
目次
定義
定義されている内容は以下の5種類に分類できます。委託とは
『委託』の意味については、下請法では書かれていません。ただ、ご相談を受けるときに勘違いされている方もいらっしゃるので、補足的に説明します。
『委託』は、契約書の表題(タイトル)では、使われないことが多い言葉です。
このため、委託という言葉が使われていないからと、関係ないと勘違いされている相談者もいらっしゃいます。
実務的に使われる契約書の表題は、『請負契約』や『準委任契約』となっています。
しかし、次にお話しする条件に該当すると、表題の表記に関係なく、下請法の対象となる委託になります。
関係ないとは言えないのではなく、関係ありですので、ご注意ください。
『業として』とは
良く勘違いされるので、勘違いされる部分についてのみ補足をします。『業として』の取り扱いは、法律ごとにも違いがありますので、それぞれの法律に合わせた解釈をする必要があります。
「業として」は、次のような意味で使用すると言われています。
事業者が,ある行為を反復継続的に行っており,社会通念上,事業の遂行とみることができる場合を意味する。
ポイントは、次の2つです。
- 反復継続
- 社会通念
- 事業
この中で、勘違いされるのは、「反復継続」なので、この点だけお話をします。
反復継続
一般的に反復継続というと、複数回行う印象があります。反復にしても継続にしても、2回以上行わないと実現しないからです。
このため、行ったのが、「1回なら大丈夫」と思われている方も多く、そのように説明しているサイトもあります。
この「1回なら大丈夫」が勘違いです。
最高裁の判例では、「『反復継続』の『意思』で足りる」となっています。
意思があれば、実際に『反復継続』で遂行しなくても『業』に該当します。
言い換えると、意思があれば、1回でも該当するのです。
この点、勘違いされている方が多いので、ご注意ください。
『物品』とは
この対象となる業務のお話で出てくる『物品』は、動産です。不動産は含まないこととされています。
不動産が含まれないことは、次回お話をする役務提供委託(下請法第2条第4項)で建設業が除かれていることからもわかります。
次回は、「対象となる委託の種類」についてお話をします。
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