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合併により事業を継承しました。新設会社なので、個人情報を提供できる第三者になっていません。本人の同意はありませんが、個人情報を受取ってもよいのでしょうか? ~ 提供できる第三者について ~

「合併により事業を継承しました。新設会社なので、利用目的に明示された提供できる第三者になっていません。本人の同意はありませんが、個人情報を受取ってもよいのでしょうか?」とご質問いただきましたので、こちらでご紹介します。

回答

受取可能です。
この質問に回答するには、今回の個人データの授受が、提供に関する個人情報取扱事業者の義務とは?でお話をしている「第三者提供」に該当するかどうかが問題になります。
このため、提供できる第三者についてのお話をします。

提供できる第三者について

第三者提供に該当しない場合

第三者ではあるのですが、次のような場合は、第三者とはなりません。
これは、当該個人データを当初提供した個人情報取扱事業者と提供を受けるものが一体のものとして取り扱われることに合理性があると考えられるからです。

  1. 個人データの取扱いの全部又は一部を委託するため当該個人データが提供される場合
  2. 合併その他の事由による事業の承継に伴って個人データが提供される場合
  3. 個人データを共同して利用する場合

個人データの取扱いの全部又は一部を委託するため当該個人データが提供される場合

個人情報取扱事業者が「利用目的の達成に必要な範囲内」において、個人データの取扱いの全部又は一部を委託するために、当該個人データが提供される場合、提供を受ける者は、第三者になりません。
ただし、この場合でも、監督に関する個人情報取扱事業者の義務とは?で、お話をした「委託先の監督義務」はありますので、ご注意ください。

合併その他の事由による事業の承継に伴って個人データが提供される場合

個人情報取扱事業者が「合併、分社化、事業譲渡など」により事業が承継されることに伴い、「当該事業に係る個人データが提供」される場合、提供を受ける者は、第三者になりません。
この場合であっても、提供に関する個人情報取扱事業者の義務とは?で、お話をした「利用目的による制限」はありますので、ご注意ください。

個人データを共同して利用する場合

個人情報取扱事業者が特定の者と「共同して利用」する場合、提供を受ける者は、第三者になりません。

ただし、次の5項目を「あらかじめ本人に通知など」しておかなければなりません。

「あらかじめ本人に通知など」とは

次の2つを意味します。
  • あらかじめ本人に通知する」
  • 個人情報保護方針プライバシーポリシーなどをあらかじめ公表して「本人が容易に知り得る状態にする」

「あらかじめ本人に通知など」をされる項目

  1. 共同利用をする旨
  2. 共同して利用される個人データの項目
  3. 共同して利用する者の範囲
  4. 共同して利用する者の利用目的
  5. 当該個人データの管理について責任を有する者の氏名又は名称
内容については、次回お話をします。

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