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改正前後の個人情報の違いとは? ~以前からの個人情報~

前回は、個人情報を改正前後の2つに分割した時に、共通する部分についてお話しました。
今回から2回に分けて、改正の前後の違いについて、お話します。

改正前後の個人情報

改正された部分が関係するので、わかりやすいようにその前後で分割します。
  1. 改正以前からあった規定
  2. 改正により明確にされた規定
今回は、1の以前からあった部分をお話します。

以前からの個人情報の定義

以前からの個人情報を大きく分けると、次の2つに分類できます。
  1. 情報に含まれる記述などにより、特定の個人識別できるもの
  2. 他の情報容易に照合することにより、特定の個人識別できるもの

それぞれについてお話していきます。

情報に含まれる記述などにより、特定の個人識別できるもの

代表例は本人の名前です。

実は、この代表例のお話をすると、反論される方もいます。
厳密には、同姓同名の方が居る場合もあるからです。
ただ、普段の生活では、名前で本人が特定できるので、個人情報になっています。
その他、以下のような内容です。
  • 生年月日
  • 住所
  • 電話番号
  • メールアドレス

ここまでは、イメージしやすい情報です。
ここからは、直接的ではないため、少し説明が必要な情報をこれからご紹介します。

  • 会社の役職や所属
    A社の営業部長・・・となると特定できるのではないでしょうか。
  • 防犯カメラなどの映像
    公開捜査などで使われるくらいですから、映像から個人は特定できるでしょう・・・
  • セミナーなどの音声録音
    録音内で名前を言えば、イメージしやすいですが、セミナー名や内容などでも講師がわかる事はありますので・・・
  • SNSのアドレス
    そのままですね。個人のSNSでしたら、そのアドレスで個人が特定できますというか、できないとアドレス交換ができません・・・
  • 個人サイトのアドレス
    SNSのアドレスと同じ意味です。名刺などにアドレスを入れている方は多いですよね・・・

他の情報容易に照合することにより、特定の個人識別できるもの

このお話は、実際に個人情報か判断する時になかなか難しい問題です。
複数の情報を組み合わせて個人が特定できれば、個人情報となります。

ここからは、例を挙げてお話しましょう。
例えば、下記のような履歴書に記載するであろう情報です。
  • 資格・免許
  • 趣味・特技
  • 長所・短所
  • 続柄
  • 通勤時間
  • 職歴
  • 学歴
  • 性別

上記の情報を全て知らなくても、いくつかがあれば個人を特定できるのではないでしょうか。

例えば、○○大学卒業・・・だけでは、一人を特定することは難しいです。
しかし、○○大学卒業で通勤時間が3時間・・・となればどうでしょうか?

通勤時間3時間という方もなかなか少ないと思いますが、その上、卒業した大学名まで加わると、個人を特定できることがあるかもしれません。

もう少し特定できそうな情報でお話しましょう。
例えば、平成元年以降にできた大学や学部などを例にしてみましょう。
現在の少子化を考えると、「○○大学○○学部卒業の九男」だけで、個人を特定できそうです。

このように、組み合わせで個人が特定できる場合は、全てが個人情報になります。 このため、考えているより広い範囲の情報が個人情報になります。
個人情報かどうか判断する場合には、ご注意ください。

次回は、改正により明確にされた部分です。

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