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財産が少なくてもモメテしまう。。。 ~ 司法統計から見た遺産分割訴訟について ~
- 投稿日:2015-01-13
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- カテゴリ:相続
推理小説などでは、お金持ちの家で、相続財産を目当てにした犯罪や事件が起こることはよくあります。
犯罪までは起きないでも、もめているというお話はドラマでは、よくある話です。
実際はどうなのでしょうか?
今回は、裁判所が公開している統計情報から、遺産分割が裁判で行われた割合についてお話します。
目次
財産額から見た遺産分割の割合
このお話をしている現在、平成25年度の司法統計が公表されているので、このデータを基にお話します。司法統計とは
司法統計とは、裁判所が発表している統計情報です。行った裁判についての内容を、毎年、統計情報にして発表しています。
個人情報保護の要請もあり、統計化してあり、一件一件の裁判内容はわからないようになっています。
このため、裁判になった詳細はわかりませんので、ご安心ください。
注意
推理小説などで起こるような犯罪が関係した事件は、この統計ではわかりません。犯罪が関係する場合、既にお話している「相続欠格」になるため、財産を相続することができなくなります。
犯罪を犯したという意味で裁判所にお世話になることはあっても、遺産分割で裁判所にお世話になることはありません。
このため、この統計には出てきません。
財産額ではどうなっている?
タイトルでもわかるように、裁判所のお世話になった遺産分割は、小額の財産の方が多額の財産がある場合より多いです。遺産分割がもめて、裁判になった全体を100%とすると、5,000万円以下が約75%を占めています。
1,000万円以下に限ると、約32%となります。
そうです。裁判所のお世話になった3人に1人は1,000万円以下、4人に3人は5,000万円以下なのです。
財産が少なくても裁判所にお世話になることが多いというのが、ご理解いただけるのではないでしょうか。
最近に限った話では?
統計データではあるのですが、時期によって偏りがあることもあるので、他の年のデータも確認してみました。確認したここ数年、この傾向は、基になっている平成25年に限ったお話ではありませんでした。
件数の増減は合っても、割合はほとんど変わっていません。
裁判所にお世話になった割合は、財産が少ない方が多い傾向のままでした。
このことから、「財産も少ないし、もめないだろう」とは考えないほうが良さそうです。
タグ:相続人, 相続欠格, 相続財産, 遺産分割協議, 遺言
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