遺言書作成Web講座

この記事を読むために必要な時間は約4分(1260文字)です。

遺言の執行で初めて子になる? ~子の認知について~

今回は、子の認知ついてお話します。
「認知は遺言によってもできる」と規定されています。
・・・
この講座では、相続人同士が争わないように遺言書を書きましょうと、いろいろな場所でお話しています。
争うことが起きやすい、認知についてはあまりお話したくない内容なのですが、お話します。

認知について

どうするの?

遺言執行者が認知に必要な届出をします。
このため、遺言の内容には、認知に必要な事項がなければなりません。
また、当事者などからの承諾が必要な場合もあります。
遺言執行者が届出をしようとしても承諾が無いと届出できないので、承諾が得られるように付言事項などに配慮が必要です。

注意点1

遺言執行者必須になります。
遺言執行者を指定していない場合、相続人は家庭裁判所に遺言執行者の選任を請求しなければなりません。
認知の方法を規定している戸籍法で遺言執行者と規定されているためです。
このため相続人が認知の手続きができないことにご注意ください。

注意点2

子が認知をしようとしている時点で亡くなっている場合、原則、認知できません。
死んでしまった以上、いまさら子にしてもどうにもならないからです。

原則というくらいですから、当然、例外があります。
どうにもならないことはないという状態であればよいわけです。
それは、認知しようとしている死亡した子に子や孫が居る場合です。
法定相続人の所でお話したように、認知によって新たにできた孫にも相続されるため、死亡していても認知できるようになっています。

遺言するときは・・・

相続人のことを考えて付言事項を書くことを強くお勧めします。
認知により相続人になった子とそれ以外の相続人で、争うこと可能性が高いためです。
できれば遺言書で死後に解決しようとせず、生きているうちに認知の届出をすることをお勧めします。

何らかの理由で認知が認められない場合、その子は相続人にはなりません。
実際に子であったとしても、戸籍を見ても子であると判らないので、相続手続きができないためです。
遺言で認知をした場合、認知が認められないことも考えられますので、生きているうちに認知の届出をすることをお勧めしています。

おまけ・・・

認知は男性だけがするものと思われているかもしれません。
非常に珍しいケースにはなるのですが、女性でも認知ができる場合があります。

一般的には生まれた子と母親は出産で親子関係を判断できるため、認知するまでもないのです。
ところが、出産後に生まれた子と何らかの理由で離れてしまい、母親が出生届を出せていない自体が起こった場合はどうでしょうか。
この場合、母親との親子関係が判断できなくなります。
このように母親と子の親子関係を結ぶために、女性の認知も可能にはなっています。

ただ、病院での出産が多い昨今、生まれた子と離れて出生届が出せないということはほとんどないので、女性の認知はほとんど例がないです。
ただ、先ほどの例のように、全くないことではないです。

タグ:, , , , , ,


広告枠・・・広告やリンク先の保証はしません

参考記事(一部広告含む)


このページの記事についてちょっと質問!