推定相続人の遺留分を侵害する遺言を遺す必要がある方は遺言書を作成しましょう!

今回は、遺言書を書いた方が良い人の中で、特に推定相続人の遺留分を侵害する遺言を遺す必要がある方についてお話します。
遺言をされる方の中には、推定相続人の遺留分を侵害する遺言書を作成されます。
遺留分を侵害するとその部分は無効になることがあります。
今回は、遺留分を侵害する時の対策を中心にお話いたします。

推定相続人の遺留分を侵害する遺言を遺す必要がある方について

遺留分を侵害するとどうなるの?

民法では「遺留分に違反する遺言はできない」と規定されています。
このため、遺留分を侵害するような遺言が無効になるかというと、無効にはなりません
実際には、遺留分減殺請求ができるという運用になっています。
これは、遺留分減殺されるまでは遺言書の内容がそのまま有効と言う意味です。
遺留分減殺請求については、既にお話していますので、ご覧ください。

遺言書がある場合はどうなるの?

遺言書では、遺言者の意思を伝えるようにして、遺留分減殺請求をしないように相続人に伝えるよう付言事項を書くことが中心になります。

どういうことかというと、遺留分は放棄することができますので、放棄してくれるよう付言事項でお願いするのです。
ここで注意が必要なのは、遺言者の生前に遺留分を放棄するには、家庭裁判所の許可がいることです。
このため、遺言書と合わせて遺留分を放棄するよう推定相続人と約束しても、法的効力=強制力はありません。
遺言書と合わせて遺留分を放棄するという書類があっても、効力がありませんので、ご注意ください。

尚、遺言者の死後、言い換えると相続が開始した後は、家庭裁判所の許可は不要です。
厳密には、相続が開始した後に遺留分を放棄する方法は規定されていないのです。
規定があるのは、遺留分があることを知って、遺留分減殺請求をしないまま、一年経つと、遺留分減殺請求ができなくなることです。
この一年の間に請求しないように、このような遺言書を残した背景や理由などを付言事項として遺言するのです。

付言事項ですので、法的効力=強制力はありません。

強制力がないので意味がないかというと、そうではありません。
遺留分を侵害する遺言を残すことになった背景などを伝えない事には、相続人も遺留分を行使するかについて判断ができないからです。

子ではなく孫に遺産を引き継ぐ等、付言事項が無くても、判断ができる場合もあるかもしれませんが、稀な例でしょう。

また、遺留分減殺請求によって、相続が争続になることもありえます。
それに、争続にならなかったとしても、その後の関係に禍根を残すようなことも起こりえます。
特に遺留分を持っている相続人は親族ですので、関係が悪化して良いことはないでしょう。

付言事項や遺産の配分などを考えた遺言により、少しでも関係が悪化しないよう、遺言を残すことをお勧めします。

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