相続財産の範囲について

今回は相続の時に想定外だ!とならないために知っておきたい、遺産の元になる相続財産の範囲のお話です。

良く勘違いされるのが、相続税の財産との関係です。
民法でいう相続財産と相続税法でいう相続財産は違います。
それぞれの法律で相続財産になる範囲が異なるので、ご注意ください。

ここでお話しているのは、民法でいう相続財産です。
税理士さんや税務署などで相続税の相談をするときと異なるので、ご注意ください。

相続財産の範囲とは

相続財産として有名なのは、持ち家の方の土地と建物などの不動産です。

また、財産と言うくらいなので、貴金属などの高価な物が考えられます。
それに銀行口座のお金などは知られています。

確かに不動産や貴金属、銀行口座のお金などは相続財産の範囲に入ります。
でもそれだけではありません。

財産一覧で少しお話させていただきましたが、借金などのマイナスの財産も含まれます。

プラスの財産とマイナスの財産、それに含まれそうで含まれない財産、ケースバイケースになる財産、と順を追ってお話します。
また、別のページでネット関係の財産のお話を追加しました。
今回はプラスの財産についてです。

プラスの財産

既に例に挙げていますが、知られているものが多いです。

土地や建物などの不動産

持ち家や賃貸マンションや賃貸住宅、先祖伝来の田畑や山、島などです。

現金・貴金属など

現金やダイヤの指輪や真珠のネックレスなどです。
ただし、金銭的な価値が高いものでなくても含まれます。
例えば、おもちゃの指輪であっても相続財産に含まれます。
あとは、イミテーションリングなどですね。

思い出がある品など、金銭的な価値がほとんどないものであっても、ご家族などにとってはお金に代えがたい価値がある物などを思い浮かべて頂くと、含まれる理由がわかるかもしれません。

銀行預金、郵便貯金、有価証券(株券、国債、公社債、手形、小切手)

金銭的な価値のある物の代表格です。
銀行や郵便局などの預貯金だけではなく、株券や国債などの債券が含まれます。

株主権・社員権

株式会社の株主である地位、合同会社や合資会社・合名会社などの持分会社の社員である地位です。
持分会社の社員とは、通常言われている会社の社員(従業員)ではなく、株式会社で言う株主の事です。
持分会社は株を発行しないので株主とは言えないので、社員を言っています。
紛らわしいですが、注意しましょう!

また、株式会社の株主である地位という、言い方をしています。
日本の上場企業では、株券を発行しなくなったので、株主といえども株券を持っていません。
同じように株券を発行しない会社も多くあります。
株券が発行されないので、有価証券としては存在しないですが、発行されないだけですので、このような言い方になっています。

注意が必要なのは、会社の規則である定款で、株主や社員の地位の相続を認めず、「現金で買い取る」などと定めている場合があります。
このような場合は、株主や社員の地位(株券の代わり)ではなく、現金などの定められたモノになりますので、ご注意ください。

賃貸住宅などの賃貸借権

賃貸住宅などの不動産が相続財産なので、貸している契約も相続対象です。
逆に、賃貸住宅に住んでいる人が亡くなった場合は、借りている契約も相続対象になります。
借りている契約が相続対象にならなければ、残された配偶者などが生活できなくなりますし、大家さんが亡くなったからと言って借りている人が追い出されるのでは、借りている人が生活できなくなります。。
どちらも、遺言者(被相続人)が死亡後も関係者が生活を続けるために必要と考えれば、分かりやすいです。

ただし、賃貸契約の内容によっては、相続対象にならない場合もありますので、契約内容をご確認ください。

マイナスの財産

財産一覧で少しお話させていただきましたが、借金などのマイナスの財産です。

借金・ローンなどの金銭債権

借金や住宅ローン、マイカーローン、事業をされている方でしたら事業者ローンなど各種のローン契約

クレジットカードの未払い残高など、あまり借金とは考えられていない内容も含まれます。

抵当権などの物の債券

借金をするときに抵当権を設定することは良くあります。
プラスの財産で不動産が相続財産とお話しましたが、不動産に設定された抵当権などは、相続しても消えません。
しかし、住宅ローンなどでは、通称団信と呼ばれる団体信用生命保険契約をしている場合があります。
この場合、生命保険の保険金で住宅ローンが返済されるので、担保がいらなくなります。
担保がいらないので、抵当権もなくなりますので、相続財産として考えなくてもよいです。。
厳密には、抵当権抹消の登記などが必要なので、何もしなくてよいことではないですが、遺言書を考える時の相続財産としては考えなくてもよい内容になります。

相続財産に含まれない財産

入りそうで入らない相続財産です。

一身専属的な権利

生活保護の受給権など、本人の身分や状況によって発生している権利です。
生活ができている相続人に生活保護を支給するのは支給の目的に反するので、相続対象にはなりません。

財産とは考えにくいですが、運転免許証などの個人の技術などが必要な免許なども相続対象にはなりません。
車が運転できない配偶者などに運転免許が相続されても困りますから。

委任や雇用などの契約

委任契約や雇用契約など、個人の知識や技術などが条件になっている契約は、一身専属的な権利と同じように、相続対象になりません。
生前、親が勤めていた会社に子が入社するということはありますが、親と子で給与などの条件が違うことがほとんどですし、同一条件だとしても、新たに雇用契約をしているだけです。

お墓などの祭祀財産

お墓やその土地、仏壇や神棚などの仏具や祭具などは、高価であっても相続財産と区別されます。
慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する事になるためです。

ただし、遺言で祭祀を主宰すべき者を指定することができます。

指定できるという意味では、相続財産と考えられます。
しかし、プラスの財産のように分けるような物とは区別することは必要です。
というのも、法定相続人以外の人が祭祀を主宰すべき者になることもあるためです。

祖先の祭祀を主宰することを一番に考えて指定するので、他の相続財産とは区別して考えることをお勧めします。

ケースバイケースになる財産

条件により取扱いが変わる財産です。

保証人契約

借金の保証人としての地位も相続対象です。
物の債券のところでお話した、通称団信の場合、担保と同じように、保証人がいらなくなります。
いらなくなったので保証人の地位は相続対象にはなりません。

また、会社に入社する時などの身元保証人などは、多くの場合、相続対象にならないです。
両親が保証人になっていたとして、保証対象の入社した本人が相続で自分を保証するようになる場合もあり、それぞれの契約や状況によっても変わってきます。
その場合は、相続人ではなく、代わりの保証人を求められるとか、対応が異なるので、ご注意ください。

生命保険

良くある受取人が相続人の生命保険です。
契約者と被保険者が被相続人である場合などでは相続財産にならないとケースもありますが、被相続人ご自身が受取人になるケースなど、契約の仕方や内容によって相続財産になることもあります。
また、保険金が、別途お話します特別受益になる場合もあります。

相続税の財産との関係の代表例がこの生命保険です。
相続財産になる範囲が異なるので、特にご注意ください。

契約や規約によって

既に賃貸契約の契約や株主(社員)の地位などでお話していますが、契約や規定によっては、相続財産にならないモノもあります。
それぞれの契約にって遺言の指定が意味をなさない場合もあるので、内容の確認はしておいた方が良いです。

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