遺言書と一緒に用意した方が良い戸籍謄本

今回は遺言のときに合わせて用意した方が良い戸籍謄本のお話です。
遺言の方式によっては、戸籍謄本が無くてもできます。
それでは、なぜ取得しておいた方が良いのでしょうか。

多くの遺言者は相続人が誰であるかを把握していることは多いです。
相続人が分かっているのであれば、戸籍謄本が無くても遺言できます。
このため、遺言の時に戸籍謄本を用意することは少ないです。

ただし、公正証書遺言の場合、戸籍謄本が必要になる場合があります。
相続人であることの確認や遺留分など、遺言の内容により異なりますので、実際に作成する時に、公証人や弁護士や行政書士などの専門家に確認するようにしてください。

自筆証書遺言の場合は、無くてもできてしまいます。
作成時には、誰も確認しませんので、不要です。

では、なぜ、用意した方が良いのでしょうか?

遺言書に記載されている財産が、遺言者の財産全てでしたら、問題になりません。

問題になるのは、遺言書に記載されていない財産が出来たときです。
生前、遺言後にした相続財産の処分(売買・贈与)の扱いについて ~もう一つの遺言書の変更や撤回について~」でお話したように、時間が経つと、財産の内容が変化することがあります。
そうすると、その部分は撤回したことになるので、変化した財産についての遺言が無いことになります。

一言で言うと、遺言されていない財産が出来るということです。
遺言されていない財産については、「遺言書に書かれていない財産があるのだがどうなるの? ~ 遺言されていない財産について ~」や「遺言書の無い相続手続きはどう進むのか? ~遺言書がない場合について~」でお話したように、相続人の捜索をしなければなりません。
この時に戸籍謄本を取得することが、非常に手間や時間がかかることがあります。

手間になることがあるのは、本籍地を移動したことがある方です。
相続手続きでは、戸籍謄本は、被相続人が生まれたときからの全てが必要になります。
戸籍は本籍地ごとに作成されます。
このため、本籍地を移動した場合、移動前の本籍地の戸籍謄本も取得する必要があります。
本籍を複数回移動している場合は、移動したところすべての戸籍謄本が必要なるので、かなりの手間と時間が係ります。

とは言っても、住所変更をしても、本籍地の変更をする人は少ないかもしれません。
一度も本籍地を変更した覚えはない!と言われる方もいらっしゃいます。
実は、そのような方でも、ご本人が意識せずに、本籍地を移動していることがあります。
それは、結婚された時です。
結婚すると、親の戸籍から、ご夫婦の戸籍に移動します。
婚姻届には、新しい本籍地を記載する場所があります。
このため、婚姻届を提出する時、新しい本籍地を届出します。
そうすると、本籍地を移動したことになるのです。
親の本籍地と違う場所を届け出ると、2ヶ所で戸籍謄本を取得する必要が出てきます。

最近では、親と同居していない事も多く、また、親と離れている場合もあります。

2ヶ所だからと言っても、郵送で取得する場合などでは、手間と時間がかかります。
相続財産によっては、相続手続きに期限がある場合もあり、時間がかかることが大問題になることもあります。

このように相続時を考えると、遺言書作成時には時間的な余裕もありますので、遺言作成時に合わせて戸籍謄本を取得しておくことをお勧めしています。

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