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目的とは? ~ 定款の最低限の記載事項について ~ 

会社法で決まっている定款で定めなければならない事項は、5項目とお話しました。
今回から、5項目の内容についてお話します。

必須の定款事項

さて、会社法で定款決めなければならないとなっている事項は次の5項目です。
  1. 目的
  2. 商号
  3. 本店の所在地
  4. 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
  5. 発起人の氏名又は名称及び住所

今後、それぞれについてお話していきます。
今回は、最初の目的についてお話します。

目的

意味は?

法人の権利能力は、目的の範囲内だけです。

権利能力とかいわれてもわからないという方に、誤解を生じるかもしれませんが、わかりやすく言い換えると、・・・

法人は、目的に列挙されたことしかできません。
目的に列挙されていないことをするのは違法行為で、認められません。
では、目的に列挙されていないことをやったらどうなるかというのは、いろいろな要因により異なるので、ここではお話しません。

どうして決めるの?

ここでひとつ質問です。
どうなるかわからないことをする相手と皆さんはビジネスの相手とするでしょうか?

多くの方はしないという回答になるではないでしょうか。

このように、何ができる法人なのか?ということは取引をする相手方からすると非常に重要です!
重要と考えられるため、必ず決めなければならない事項になっています。

注意点は?

この目的、会社法施行以前に比べるとそれほど問題になることはなくなりました。
表現自体は、割と好きに決めることができます。
ただ、先ほどお話したように、取引の相手方がわかる必要があるので、造語や専門用語など、世間一般の方がわからない言葉を入れることはできません。
特に、専門用語などは、知人などに聞いても、同じ業界だったりすると、わかってしまうことがありますので、注意が必要です。

業界以外の人にも聞いてもらってわかるかどうかを確認した方が良いです。
そのような方がいらっしゃらない場合は、行政書士や司法書士などの専門家に相談することもできます。
また、目的の相談することができる登記所もありますので、登記所に確認してもよいです。

このように世間一般の方がわかる言葉というのを「明確性」といいます。
目的にはこの明確性が求められます。

注意点 その2

違法行為を目的とすることはできません。
目的に列挙されていないと違法行為とお話しましたが、列挙すれば違法行為をすることができるわけではありません。
当たり前といえば当たり前ですのことです。

注意したほうが良いのは、その気は無くても、目的に書く表現を誤ると違法行為と勘違いされるような言葉を使うことです。
使ってしまえば、当然ですが、会社を設立することができないので、目的を書き直すことになります。

「適法性」という名前はついていますが、覚える必要は無いですね。

注意点 その3

NPO法人など非営利法人では問題になりませんが、会社法の法人は営利を目的とした法人です。
このため、営利を目的とした項目でないと認められません。

例えば、目的に「ボランティア」などは使えません。

「営利性」という名前はついていますが、これも覚える必要は無いです。

注意点 その4

目的については、もう一つ気をつけなければならないことがあります。
それは、会社が許認可が必要な業務を行う場合です。

目的については、先にお話したように割と好きに決められます。
それを司法書士や登記所に相談することもできます。
許認可の場合、何が問題なのでしょうか?

それは、許認可をする行政庁が目的の書き方を決めている場合があるのです。
司法書士や登記所が大丈夫と言っても許認可が出なくなります。

問題を複雑にするのは、司法書士や登記所で大丈夫と言った場合、会社の設立ができることです。

会社ができれば許認可が出るのではないか?と考えるかもしれませんが、そうでもありません。
許認可についてお話しすると、今回のお話の趣旨からは外れますので、別途お話します。

次回は、次の商号についてお話します。

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