相続人等に対する売渡しの請求

今回は、譲渡制限株式特有の規定を一つ紹介します。
「相続人等に対する売渡しの請求」です。
どのような内容なのか?やどう決めるのか?などについてお話します。

相続人等に対する売渡しの請求について

相続人等とは?

最初は対象者が誰かについてお話します。

相続人とは?

譲渡制限株式を持っていた株主の相続人です。

相続人等の「等」とは?

合併などにより株式を取得した一般承継人です。

売渡しの請求できるタイミングは?

相続が発生したり、合併したりして、株主が変わった時です。
あまり難しいことはありません。

どうやって決めるの?

株主が変更した時に売渡し=会社が買取できるので、株主にとっては重要な問題です。
重要な問題ですから、会社の最高意思決定機関である株主総会で決めます。

重要なことなので、決めたら、定款に記載しなければなりません。

なんでこんな規定があるの?

元が譲渡制限株式なので、株主が変わるときには、会社の承認が必要です。
この時、会社は会社に具合の悪い株主になるようであれば、承認しないでしょう。
会社にとって具合の悪い株主とわかっていて、承認するようなことはあまり考えられません。

同じように、株式を取得する相続人や一般継承人が、会社にとって具合の悪い人の場合はどうでしょうか?
売買などであれば、会社の承認で防御できますが、相続は防ぎようがありません。
いくら会社にとって良い株主さんであっても、永久に生きていることは無いのですから、いつかは相続が発生します。

相続や一般継承の場合、会社の承認は不要と会社法で決まっています。
このため、譲渡制限株式の株主が変わってしまいます。

それでは困ることもあるので、新しい株主に株式がわたるのは仕方がないが、せめて会社に株式を売却してもらいたいという考えから、このような規定ができました。

注意点1

株式を会社に売却する請求をするときには、株主総会での議決が必要です。

注意したいのは、この議決には、相続人等が参加できない事です。
請求時の株主構成によっては、その後の会社運営が大きく変わることもあります。
特に中小企業では、筆頭株主の相続発生で、株式の保有割合が大きく変わることもありえます。

保有割合が大きく変われば、経営に与える影響は大きいです。

良くなるか悪くなるかは、請求時の株主しだいなので、この規定を使う場合には、注意が必要です。

注意点2

譲渡制限株式であって、譲渡制限会社ではありません。
間違いやすいので、注意しましょう。

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