単元株式未満の株主ができないこととは? その1

今回は、単元株制度でお話していなかった単元株未満の株式を持つ株主についてお話します。
株式の併合について1では単元株制度では、株主でなくなることは無いとお話しました。
しかし議決権は無くなります。
議決権が無くなるだけで、単元株式を持つ株主と他には違いが無いのでしょうか?
今回はその違いについてお話します。

単元株未満の株式を持つ株主にできない事ついて

全ての会社でできない事

単元株制度で既にお話したように、議決権が無くなります。

全ての会社でできなくなるのは、実は議決権が無くなるだけです。
それ以外にもあるのですが、全ての会社ではなく、一部の会社でしかありません。

一部の会社とは?

一部の会社とは、大会社・中小企業などの規模や公開会社・譲渡制限会社などの譲渡制限に関係するのではなく、定款に依存します。

具体的には、定款で単元株未満の株式を持つ株主ができない事を決めるのです。

どんなことをできないと決められるの?

以下のようなことをできないと決められます。

  1. 全部取得条項付株式の取得対価の交付を受ける権利
  2. 株式会社による取得条項付株式の取得と引換えに金銭等の交付を受ける権利
  3. 株式無償割当てを受ける権利
  4. 単元未満株式を買い取ることを請求する権利
  5. 残余財産の分配を受ける権利
  6. 法務省令で定める権利

それぞれについて簡単にお話します。

全部取得条項付株式の取得対価の交付を受ける権利

全部取得条項付株式については、種類株式についてでお話済みです。

会社が株主に株式の買い取りを請求した場合の対価を受け取る権利を制限できます。

この制限は、全て制限することもできますし、一部に限定することもできます。

株式会社による取得条項付株式の取得と引換えに金銭等の交付を受ける権利

取得条項株式についても、種類株式についてでお話済みです。

会社が株主に株式の買い取りを請求した場合の対価を受け取る権利を制限できます。

全部取得条項付株式と同様に、この制限は、全て制限することもできますし、一部に限定することもできます。

株式無償割当てを受ける権利

株式無償割当てについては、別途お話します。
ここでは、単元株制度のところでお話した株式の分割と同様に、株主が持っている株式が増えることとお考えください。

単元株式数を持っている株主の株は増えますが、単元株式数を持っていない株主の株式は増えないことになります。
この場合も先にお話した制限と同様に、全部を増えないことにすることや一部だけ増えない、言い換えると増える量を減らすこともできます。

単元未満株式を買い取ることを請求する権利

株式の併合2でお話したのと同じような制度が単元株制度にもあります。
内容については、次々回お話しますが、それをできなくする制限を設けることができます。

残余財産の分配を受ける権利

良く勘違いされるので、あらかじめお話しておきますと残余財産は配当の原資ではありません。
残余財産とは、会社を辞める時に借金などの債務を清算して残った財産です。
この残った財産を株主に分配するのですが、その分配が受けられなくなります。

最後は法務省令で定める権利です。
色々と決まっていて、長くなりますので、次回まとめてお話します。

株券発行会社は単元未満株式に係る株券は発行しないことができる

以前お話した単元株制度は、株式の管理が大変だから導入したらどうかということからお話しました。

この単元株制度では会社の株式の管理がしやすくなります。
その管理のしやすさを表す制度です。

株券発行会社は、株券を発行する会社です。

この株券には株数が記載されています。
尚、株券の記載事項の詳細については株券についてで既にお話していますので気になる方はご覧ください。

単元株制度を実施しても、一株などで株券を作っていては、管理が大変です。
このため、単元株未満も株式については、株券を発行しないようにして、管理を簡単にしようという制度です。

株券発行会社の株主にとって、株券は株主てあることを示す大切な物であるので、この制度を実施することは重要なことです。

重要なことですから、定款で定めることになります。

次回は、定款で制限することができる法務省令で定める権利についてをお話します。
その次は、今回の話とは逆の単元株未満の株式を持つ株主ができることについてお話します。

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