エンジニアのための著作権入門

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制限:美術・写真・建築の著作物関係 その3 展示会用小冊子の作成関係

エンジニアも知っておきたい、『美術・写真・建築の著作物関係』についてのお話。
その3は、展示会用小冊子の作成関係についてです。

著作権の制限事項の種類については、著作権の制限事項についてを参照ください。

「美術・写真・建築の著作物」に共通して関連する制限の種類については、『制限:美術・写真・建築の著作物関係』を参照ください。

著作物そのものについては、『美術の著作物』『写真の著作物』『建築の著作物』をそれぞれ参照ください。

小冊子ってありますか?

展示会などでは、パンフレットの代わりに展示作品を紹介した「小冊子」が配られることがあります。
この「小冊子」には、美術品など展示品の写真が掲載されていることがほとんどです。
「絵画の作品名は知らなくてもテレビなどで見たことはある」と言う方は多いのではないでしょうか。
このような方にも展示会に来ていただくには、「小冊子」に写真を掲載する方が効果的です。

しかし、「その1 美術品等の展示関係」でもお話したように、所有者に『複製権』などの著作権がない場合もあります。

そうすると、せっかく展示会を開くのに、紹介のための「小冊子」も作れないことになります。
これでは来ていただける人を集めることが難しくなるので、「その1 美術品等の展示関係」で展示会を開催する意味が薄れることにつながりかねません。

この問題について、著作権法では特例として以下のように定めています。


 美術の著作物又は写真の著作物の原作品により、第二十五条に規定する権利を害することなく、これらの著作物を公に展示する者は、観覧者のためにこれらの著作物の解説又は紹介をすることを目的とする小冊子にこれらの著作物を掲載することができる。 (著作権法第四十七条)

いつものように分解していきますと以下のようになります。

  1. 美術の著作物』または『写真の著作物』であること
  2. 原作品(オリジナル)を「展示する者」であること
  3. 展示権』を侵害しないこと
    (「著作権者の了解がある」、または、「例外的に展示が認められていること」)
  4. 展示される写真や美術品の解説や紹介のためであること
上記をすべて満たす場合は、「小冊子」に写真などによりコピーできると読めます。

以下のようにもう一つ条件があります。

  1. 出所を明示すること(著作権法第四十八条)
転載』や『引用』などと同じく、出所を明示する必要があります。

紹介を目的にしている以上、小冊子などでは説明が入るので、問題になることは少ないかもしれませんね。

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