エンジニアのための著作権入門

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著作権:二次的著作物の利用に関する原著作者の権利について

二次的著作物のややこしい問題、実はエンジニアへの直接的な関係が強い、著作権の権利の一つである『二次的著作物の利用に関する原著作者の権利』についてのお話をします。
『著作権』の種類及び共通する権利については、狭義の著作権についてを参照ください。

「二次的著作物の利用に関する原著作者の権利」って?

二次的著作物についてでお話しました、原著作物の著作権者が関与する権利です。

二次的著作物についてでもお話しましたが、原著作物の著作権者には、二次的著作物を作ることを許可する権利があります。

これ以外に、創作されたこの二次的著作物を利用する場合にも、同じく許可をする権利があります。

二次的著作物の原著作物の著作者は、当該二次的著作物の利用に関し、この款に規定する権利で当該二次的著作物の著作者が有するものと同一の種類の権利を専有する。 (著作権法第二十八条)

プログラムを例にお話しましょう。

プログラムAを基にバージョンアップして作成したブログラムBがあります。
このプログラムBをコピーをするとしましょう。

この場合、販売者は、誰の許可を得なければならないでしょうか?
順をおってお話します。
  1. プログラムBを製作したエンジニアにプログラムBのコピーをつくる許可を得ます。
  2. プログラムAを製作したエンジニアにプログラムBのコピーをつくる許可を得ます。

先ほどお話した、著作権法条文の最後の部分、『同一の種類の権利を専有する』とある通り、二次的著作物の著作権者だけではなく、原著作物の著作権者にも同じ許可を得ないと利用できません。

これは、プログラムだとわかりやすいですね。
幾らバージョンアップとはいえ、プログラムAのままの部分が残っているはずです。
  • まず、プログラムBを作ったエンジニアは自分が作ったプログラムBの許可は出せます。
  • しかし、プログラムAのままの部分については、許可は出せません。
    自分が作ったのではないのですから当然です。
  • このため、プログラムAのままの部分の許可が必要になります。
  • プログラムAのエンジニアにも許可を取りましょう!
という順番で考えるとシンプルなお話になります。

実際には、プログラム以外の著作物でも同じ手順が必要になります。
プログラムのようにわかりやすい区別は着けられない物もありますが、考え方は同じです。

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