ビジネス初心者のための契約書入門

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個人の署名や記名はゴム印でよいのか?

「法人の署名や記名はゴム印でよいのか?」をご覧になり、「個人の場合は?」とご質問頂いたので、こちらで回答いたします。

契約書で記入する住所などについて、個人と法人でちがいがあるのか?

質問の内容

不動産売買の契約をする。
法人の契約書では、住所などにゴム印や印刷をよく見るが、個人では手書きの場合が多い。
個人でゴム印を使用してはいけないのか?というご質問です。

回答

原則、法人同様、署名はNGです。
記名であれば、個人でも使用できます。
この部分の差はありません。
ただ、ゴム印を使用することを契約の相手方や関係者が認めない場合はあります。

相手方について

署名なのか記名なのかの違いはありますが、不動産売買等の契約書上のゴム印の使用について、法人と個人で差がある規定は見たことがありません。
ご質問の件は、どちらかというと、商習慣に依存していると考えています。

一般的に法人の場合、事前にゴム印を用意されていることが多いです。
このため、手間を考えて、そのままゴム印を使用することが多いです。
ただ、中にはゴム印を用意していない法人もあります。
この場合、当然ですが、ゴム印は使えないので、代表者が自署します。

個人の場合、個人事業(自営業)等をされていないと、ゴム印を用意していないことが多いです。
ゴム印が無いので、結果的に自署をしています。
逆に言えば、個人でゴム印を用意されていれば、使用できることになります。

ただ一点問題になるのは、契約書の場合、契約の合意を証明する書類なので、相手方がゴム印の使用を拒否した場合、契約が成立しない可能性が出てきます。

法人同士では、ゴム印が一般的なため、認めないということは少ないです。
しかし、余り使用されない個人のゴム印がある理由を説明されないと、持っている理由を誤解するなどして、相手方が懸念をもち、契約に至らない場合もありえます。
不動産のような高価な物であれば、他の契約より注意するでしょう。

ここで、不動産の売買契約とのことですので、個人事業の不動産屋さんを例にゴム印使用のご紹介です。

個人事業でされている不動産屋さんの場合でも、契約書の仲介者や媒介者などの記載が必要な場合、ゴム印を使用されていることが多いです。
それでも、契約上は問題になりません。

このように個人だからゴム印はダメとは言えないですが、懸念を持たれないよう、相手方とのお話は必要でしょう。

関係者について

金融機関

不動産の売買では金額が大きいため、ローンなどを利用して売買代金を用意する場合があります。
ローンなどは、銀行等の金融機関に申し込みます。
この金融機関が関係者になります。
金融機関の中には、信頼性確保等の理由により、法人でもゴム印の使用を禁止している書類もあります。
禁止されているのにゴム印を使用すると、お金が調達できないので、売買契約自体が無くなりかねません。
このため、不動産の売買代金の借り入れなどがある場合は、金融機関によっても対応が異なるので、ご注意ください。

保証人

不動産などの金額が大きい取引の場合、問題が発生した場合に備えて、保証人を立てることもあります。
この保証人が関係者です。
法令による規定や保証人が保証の条件などとして、契約書に手書きの「署名」を求める場合もあります。
銀行の場合と同様、契約自体が無くなりかねないです。

金融機関にしても、保証人にしても、それぞれの関係者とのお話は必要でしょう。

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