遡及契約の注意点

『遡及契約って、便利そうなのに、なぜ、避けるべきなのか?例を挙げてほしい』と問合せがあったので、遡及契約の注意点について、一例をあげてお話します。

遡及契約の詳細については遡及契約(遡及効)についてを参照ください。

ここでは、物の製造をする契約を遡及契約でしたとしましょう。

物の製造の場合、契約で義務を課す側は発注者側、義務を受ける側は受注側です。

契約書が出来上がった時、既に物の製造を開始しているはずです。
物の製造のために色々と活動しているでしょう。
遡及契約の場合、既に活動しているところに、今までなかった制限や義務が生じるのです。

ここからは、受注側、発注側でそれぞれ困る例を挙げてみます。

受注側が困る場合

例えば、

  • 外注禁止とか
  • 製造経過を報告するとか

そのような事を後から言われたら、困りませんか?

既に外注している・・・、自社だけでは作成できない・・・、既に製造している部分についての情報は残っていない、などなど・・・
いろいろと問題が発生することもあります。

発注側が困る場合

例えば、

  • すでに完成しているのでその部分の変更は認めない(認めても良いが費用は増額だ!)
  • すでに外注しているので外部への守秘義務を言われても手遅れだ
  • 設計書なんて作ってないから渡せない(渡すなら費用は増額だ!)

そのような事を後から言われたら、困りませんか?

予算は決まっていて増額できない・・・、違約金が発生するので今から別には頼めない。などなど・・・
いろいろと問題が発生することもあります。

どちらかは困ることが生じる可能性が多くある

お話したような場合でも、相手方から契約違反と言われる可能性があるのです。
先ほどの例のように、状況によって、どちら一方、場合によっては双方が、困る状況が発生することもあるでしょう。

このように、契約書の無い期間言い換えると、契約内容の合意ができていない期間の扱いが難しいこともあるので、便利だからと、簡単に使うことは避けた方が良いです。

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