遡及契約(遡及効)とは

契約書作成日と契約期間が乖離しているときでお話しました遡及契約(遡及効)についてお話します。

遡及契約は実務上、遡及効と呼ばれることもあります。
遡及して効力を発生させる契約を略して、遡及効です。

遡及とは?

遡及という言葉の意味は、過去のある時点までさかのぼる(遡る)という意味です。

契約書で使われる場合の代表例は、契約書作成日と契約期間が乖離しているときです。

でも、契約書の作成日と契約期間(正確には契約開始日)が逆になることがあるのか?と疑問を持たれる方もいらっしゃるでしょう。
お話の内容から少しそれますが、その点についてお話します。

どういうときに使うの?

このようなことが起こるのは、契約開始日より後に契約書を作成した場合です。
どうして?と思われるかもしれませんが、以下のような理由で、実務上では起こりえます。

契約について」でお話しましたように、法律に別段の定めがない場合、契約書は無くても契約は成立します。
このため、契約することは決まっているので、契約自体は先にして、契約書の作成は後にしようということも、できてしまいます。

例えば、

  1. 口約束で開始した業務など、その場で契約書がなく、後になって契約書を作成する場合
  2. 実務に必要な契約内容は合意できているので業務は開始しているが、関係しない内容が合意できていない場合
    • 契約違反の場合が合意できない
    • 支払日が合意できていない
    • など・・・

・・・など、実務的には起こります。

どう使うの?

以下のような遡及の条文を契約書に追加します。


本契約は、契約締結の日にかかわらず、20xx年x月x日に遡って効力を生じます。


気を付けてほしいこと

当たり前ですが、遡及契約の開始から契約書作成日までは、契約書が存在しません
このため、何か問題が発生した場合、第三者に契約内容があったことを証明ができないため、契約の当事者双方が不安定な状態になります。

また、先ほどの例の2番のように、決まっていないことがあって契約書が作成できていなければ、業務開始後に考えていた内容が違うと条件変更をするようなことも発生しかねないです。

後から条件変更が発生すれば、契約の相手方と言い争いに発展することが無いとは言えません。
このため、極力、避けるべきです。

それに、契約内容によっては、法律に別段の定めがある場合や契約の効果に第三者から疑義が生じる場合もあります。
やむを得ない場合にのみ使うようにしましょう。

※2013年5月24日追記 遡及契約の注意点についてのご質問を頂いたので、遡及契約の注意点で、追加の説明をしまています。

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