法令に?法律に? 別段?特別?特段? ~ 契約書で使う表現について ~

「法律に別段の定め」は「法律に特別の規定があれば、契約書どおりにならない」と理解しましたが、「法律に特別の定め」や「法律に特段の定め」では、無効なのでしょうか?とご質問頂きましたので、こちらでお答えします。
また、「法律や法令以外には使えないのか?」とのご質問もいただいていますので、合わせてお答えいたします。

別段?特別?特段?

意味は?

質問者さんは「法律に別段の定め」が「法律に特別の規定があれば、契約書どおりにならない」という意味であると理解されていますが、正確には正しいとは言えません。
というのは、正しい意味のこともありますし、間違った意味のこともあるためです。
詳細なお話は、「法令に別段の定めとは?」や「法律の範囲内で許されたルールを修正するため」でお話していますので、ご覧ください。

ここでは単に、「法律にあるから必ず契約書どおりにならない」とは言い切れないとだけお答えします。

質問の回答は?

それでは、ご質問の回答です。

無効とまでは言えないでしょう。

ご質問の言い方ですと、「特段」「特別」と使ったとしても、同じような意味になります。

契約書と言っても、表現方法はいろいろできますから、違った書き方をしているからというだけで、無効にはなっては大変です。

とはいっても、「法律に別段の定め」があれば別です。
これは、法律に「こう書きなさい」と規定されているような場合です。
法律違反になるので無効となります。

それ以外は無効とまでは言えないでしょう。
ただ、気を付けなければならないのは、意味が変わるような場合です。
「法律に・・・」の場合は、余りないとは思いますが、次のご質問のような使い方をした場合には、契約書の表現で意味が変わることがあるかもしれません。
契約書の表現で意味が変われば、結果的に、契約内容が変わることになります。
意図的に変えたいというのでなければ、独創的な表現はされないほうがよいでしょう。

別段?

特段特別を使っている契約書も少数ですが見たことはあります。
ただ、契約書では多くの場合、別段を使っています。

このため、新規に契約書を作る場合でも、別段を使うことは多いです。

法律や法令以外に使えないの?

もう一つの質問、「法律や法令以外には使えないのか?」についてです。

質問の回答は?

法律や法令以外にも使えます。

よく使われるのは、「基本契約書」と「個別契約書」を締結する場合の条文です。

ある会社間で複数の契約を結ぶとき、毎回同じことを決めるのは大変です。
面倒ということもありますが、同じでよい部分が出てくる場合も多いです。
このようなときに、「基本契約」で同じでよい部分を決めて、違う部分を「個別契約」で決める・・・という使い方をします。

「基本契約」と「個別契約」を説明するため、A社がいろいろなオーダー商品を販売する会社で、B社がオーダー商品を製造する会社があるとしましょう。

秘密保持の方法や納品の仕方など、同じ会社間でのとりひきですから同じことが多いでしょう。
準拠法裁判所の管轄などは毎回同じと考えて良いでしょう。

それに対し、オーダー商品の内容は毎回異なります。
納期や商品代金などは異なることが多いはずです。

このような場合に、先ほどの「基本契約」と「個別契約」の説明を当てはめると、
秘密保持や納品方法、準拠法や裁判所の管轄は、「基本契約書」で決めます。
それに対し、商品の内容や納期、商品代金などは、「個別契約書」で決めます。

決めたとしても、オーダー商品の内容によって、例えば、特別大きなものをオーダーで作ったりした場合など、「基本契約書」で決めた方法で納品できない場合があるかもしれません。
その様な場合に備えて、「基本契約書」の納品方法の決め方に、「個別契約書に別段の定めがある場合を除く」などと表現することがあります。
当然、「基本契約書」で決められた方法で納品できない商品の「個別契約書」には納品方法を別に決めることになります。

それでは、逆に「基本契約書」で決められた方法で納品できる場合はでしょうか?
この場合、「個別契約書」では納品方法を決めません。
決めないことにより「基本契約書」で決めた方法で納品することになるのです。

このように、法令や法律以外でも、使うことはできます。
今回のお話では「基本契約書」と「個別契約書」についてお話しましたが、それ以外にも使えますのでご注意ください。

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